General Motors(GM)は2028年、電動SUV「Cadillac Escalade IQ」にレベル3相当の自動運転機能を搭載する方針だ。Super Cruiseの累計走行距離が10億マイルを超えた実績を踏まえ、高速道路でドライバーが前方から目を離せる水準の実用化を目指す。
米メディアのArs TechnicaとInsideEVによると、GMは次世代Super Cruiseで、現在のレベル2+の運転支援システムをレベル3水準へ引き上げる計画だ。初採用車種はCadillac Escalade IQとなる。
Super Cruiseは2017年にCadillac CT6へ初搭載された。高速道路など事前に高精度マップを整備した限定区間で作動する仕組みで、赤外線カメラでドライバーの視線を監視する。前方監視が維持されている場合に限り、ハンズフリー走行を利用できる。
対応道路は現在、北米で約70万マイルに拡大した。GMによると、Super Cruiseの搭載車両は約75万台、累計走行距離は10億マイルを超えた。2025年の年間利用時間は710万時間、年間走行距離は4億8590万マイルだった。
GMは利用頻度の高さに加え、サブスクリプションの継続率も強調する。Super Cruiseは車両購入後3年間は無料で提供し、その後はOnStarの契約が必要となる。GMで自動運転部門の副社長を務めるラシド・ハク氏は、契約更新率が約40%だとしたうえで、「一度使った顧客は戻ってくる」と述べた。
次世代システムではLiDARセンサーも追加する。GMのCEO、メアリー・バラ氏は決算発表の場で、デジタル環境を使い、人間の運転に換算して1日当たり約100年分のデータを用いたシミュレーションを実施していると明らかにした。最近ではカリフォルニア州とミシガン州の公道でも試験走行を始めたという。
自動運転開発ではAIの活用も進めている。バラCEOは、自動運転チームのコードの約90%がAIによって生成されていると説明した。
競合として意識されるのがTeslaのFSDだ。Teslaは一般道を含むFSDの累計走行距離が約100億マイル、アクティブな加入者数は128万人としている。一方のGMは、適用区間を限定しつつ、ドライバー監視の仕組みを組み合わせることで、安全性と信頼性を訴えてきた。
焦点は2028年にどの水準で商用化にこぎ着けるかだ。レベル3自動運転は、特定条件下でドライバーが継続的に前方を監視しなくてもよい段階を指す。ただ、これを内燃機関車を含む幅広い車種や複数の車両プラットフォームへ展開するには、より高い演算性能とセンサー構成が必要となり、技術的なハードルは高いとの見方もある。
GMがEV事業の見直しを進める中、自動運転を次世代の中核競争力に位置付ける姿勢は鮮明だ。Super Cruiseのレベル3移行は、今後の同社戦略を占う重要な試金石となりそうだ。