米商品先物取引委員会(CFTC)が、暗号資産の登録申請審査や市場監視でAIの活用を広げている。人員が2割超減少するなか、登録手続きの自動化や審査支援、市場監視向けツールの整備を進める。
4月28日付のCoinDeskによると、マイク・セリグCFTC委員長は、人員減への対応として、登録手続きの自動化と監視業務へのAI導入を進めていると明らかにした。
セリグ委員長は、ドナルド・トランプ大統領の連邦職員削減策を受け、CFTCの人員が20%超減少したと説明した。そのうえで、AIと自動化によって業務を補完できるとの考えを示した。CFTCは、暗号資産分野での役割拡大をにらみ、登録申請の審査や市場監視に関連技術を活用している。
現在の登録手続きは、書類の提出から受理、審査まで手作業に依存する運用となっている。CFTCは、これを自動化するシステムの構築を進めている。
AIツールは申請書の内容を確認し、問題点を職員に提示する。これによりフィードバックを迅速化し、実質的な要件を欠く申請については却下したり、審査の優先順位を下げたりできるとしている。
CFTC職員は現在、MicrosoftのCopilot活用に向けた研修を始めている。あわせて、スワップデータのレビューや市場監視に用いる独自ツールの開発も進めている。
セリグ委員長は就任から4カ月、暗号資産と予測市場の監督を重点課題に掲げてきた。議会で新たな暗号資産法案が成立していないなか、CFTCと米証券取引委員会(SEC)が共同で示したデジタル資産の分類ガイダンスを重要な対応として挙げた。
このガイダンスには、暗号資産の各分類がどの規制当局の管轄に属するかを判断する基準が盛り込まれているという。
CFTCは、自らの役割が明確になったことを踏まえ、暗号資産市場における詐欺や相場操縦、インサイダー取引の取り締まりを強化する方針だ。一方で、予測市場は最大の争点として浮上している。
CFTCは、Kalshi、Polymarket、Crypto.com、Coinbase、Geminiなどに対する監督権限が自らにあるとみている。これを巡っては、州の賭博法違反を問題視する各州政府との対立が生じているという。
先週後半には、CFTCが、ベネズエラでの軍事行動に関する予測市場の賭けに参加した疑いが持たれている、米陸軍特殊部隊所属のガノン・ケン・バンダイク氏の事件を巡り、司法省の訴訟に加わった。
バンダイク氏は、機密の政府情報の利用と詐欺の容疑で起訴されている。CFTCはこれとは別に、インサイダー取引の容疑も提起したとしている。