ビットコイン(BTC)は一時7万6000ドルを下回り、1週間ぶりの安値を付けた。ホルムズ海峡を巡る供給懸念を背景に原油相場が急伸し、暗号資産と米国株の双方に売りが広がった。市場では月末にかけてボラティリティが高まる可能性が意識されている。
Cointelegraphによると、28日(現地時間)はホルムズ海峡封鎖を巡る世界的な原油供給不安が再び強まり、暗号資産と米国株がそろって軟調に推移した。
TradingViewベースでは、BTC/USDは米国株式市場の寄り付き後に下げ幅を拡大した。背景には米国とイランを巡る緊張の高まりがある。市場ではホルムズ海峡情勢の長期化リスクが意識され、国際原油はこれに即座に反応した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は同日、1バレル100ドルまで上昇した。
ドナルド・トランプ米大統領は自身のSNS「Truth Social」への投稿で、イラン側が「崩壊状態にある」と伝えてきたと主張した。一方、市場ではホルムズ海峡情勢の先行き不透明感がなお強く、リスク資産の持ち高を圧縮する動きが出た。
エネルギー供給不安は、とりわけアジアへの影響が意識されている。The Kobeissi Letterは、イランの原油貯蔵余力が急速に低下しているとして、アジアのエネルギー危機が近く一段と深刻化する可能性があると予測した。オンチェーン分析企業Glassnodeも、米国とイランの交渉が膠着するなか、ホルムズ海峡の混乱継続が供給逼迫への警戒を強め、市場全体の不安心理を高めていると指摘した。
こうしたマクロ要因はビットコインの値動きにも直接響いた。週足では主要なレジスタンストレンドライン上で引けたものの、8万ドルの回復には至らなかった。直近では2度にわたり7万3000ドル近辺まで下押ししており、市場では早計な底打ち判断を避ける見方が広がっている。
Material Indicatorsは「これまでビットコイン強気派は、力強いダブルボトムからの反発に大きな意欲を示していない」とし、月末に向けてボラティリティが一段と高まる可能性があるとの見方を示した。あわせて示した取引所の板情報では、最大規模の投資家層に限って買いが確認されたという。
上値の重さを警戒する声も続いている。トレーダーのDaan Crypto Tradesは、強気相場を維持するには、現物価格のすぐ上に重なる複数のレジスタンス帯を上抜いたうえで、その動きが定着することが必要だとみている。「本格的なブレイクアウトを確認するにはフォロースルーが必要だ」と述べ、現状は強気勢が反発を試している段階だと評価した。
市場の視線は月末の終値と原油動向に集まっている。ビットコインが8万ドル回復に再び挑むのか、それとも中東発の供給不安とリスク回避のなかで下値支持線を改めて試すのかが、短期的な方向感を左右する材料となっている。