同じアルトコインでも、取引所上場先や流動性構造が収益率を左右している。写真=Shutterstock

アルトコイン市場で物色の選別色が一段と強まっている。長期保有が通用しにくくなる一方、資金は流動性と話題性を備えた一部の新規銘柄に集中している。市場全体がそろって上昇する従来型の「アルトシーズン」は後退し、取引所上場先や流動性の差がパフォーマンスを大きく分ける構図が鮮明になってきた。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanは27日(現地時間)、直近の強気相場でもアルトコイン全体が一斉に上昇する局面はほとんど見られなかったと報じた。代わって、新規発行資産や一部プロジェクトに資金が偏り、選別的な上昇が続いたとしている。

こうした変化はオンチェーンデータにも表れている。CryptoQuantの分析によると、2026年に入ってもアルトコイン市場全体はなお損失圏にある。一部資産は過去最高値を更新したものの、多くのコインやトークンは売買の活発さや市場の関心を取り戻せていない。投資家の姿勢も、従来に比べて慎重になっているという。

その一方で、新規供給は増加が続く。ミームトークンや公開販売されたトークン、ベンチャーキャピタルの資金を受けたプロジェクトが相次いで市場に参入し、取引所上場も広がった。ただ、供給拡大が相場全体を押し上げるには至っていない。長期保有は一部銘柄を除いて有効に機能しにくくなり、市場は短期的な流動性の流入により敏感に反応するようになった。

価格形成の軸にも変化が出ている。かつてはプロジェクトの技術力や基盤整備といったファンダメンタルズが重視されたのに対し、足元では市場の関心をつなぎとめ、流動性を維持できるかどうかがより大きな要因になっている。新規資産は、注目を集め続けられるか、資金流出を抑えられるかが問われる局面に入った。

こうした中で存在感を高めているのがBinanceだ。Binance Walletを通じた新規トークン販売は高いリターンを記録し、2025年に上場したアルトコインも比較的底堅い推移を示した。流動性の集中に加え、マーケットメーカーの支援や選別的な上場体制が、成績差を生んだ要因とみられている。

実際、既存のアルトコイン群は平均18〜23%の損失を記録したのに対し、2025年の新規上場資産は平均で約5%のプラスを維持した。直近90日でも、Binance上場のアルトコインは平均6.58%上昇した一方、Coinbase上場資産は平均16.8%下落。Deribitで取引される銘柄は平均40%以上下落した。

これに伴い、投資戦略も急速に変わっている。市場参加者は、流動性、ソーシャルメディア上での話題性、大口投資家の資金流入シグナルなどを手がかりに銘柄を選別する傾向を強めている。取引所ごとの上場方針や流動性構造の違いが、成績格差を広げる要因にもなっている。

その結果、「アルトシーズン」の意味合い自体が変わりつつある。市場全体が同時に上昇する局面ではなく、流動性が集まる一部の新規資産を中心に、限定的な上昇が繰り返される市場構造へと再編が進んでいるという見方だ。

今後の焦点は、新規トークンの供給が続く中で、資金の選別がどこまで強まるかにある。加えて、大手取引所の上場判断や流動性管理の機能が、今後も市場成績を左右し続けるかどうかも注目点となる。アルトコイン市場が長期保有中心から、選別と流動性重視へ移行する流れは、当面続く可能性が高い。

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