XRPを含む暗号資産は、危機局面でも独自に市場を主導する存在にはなっておらず、株価指数や国債利回り、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)といった伝統金融市場の動きに追随しやすい――。こうした傾向が、学術研究で改めて示された。
ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが27日(現地時間)に報じた。研究では、暗号資産が独立した投資対象になり得るとの期待とは裏腹に、依然として伝統金融システムの影響を強く受けていると分析。世界的な不確実性が高まる局面ほど、その傾向は強まるとした。
研究は2018年1月から2026年3月までの約8年分の日次データを用い、暗号資産と主要金融資産の相互作用を分析した。対象は暗号資産に加え、株価指数、国債利回り、為替、コモディティ、CDSなど7つの資産群で、計70本の金融時系列を検証した。
分析の結果、市場全体の方向性を左右する主導権はなお伝統金融側にあることが分かった。なかでも株価指数、国債利回り、CDSは市場の流れを決める主要変数として機能し、暗号資産はそれに反応する色合いが強かった。
代表例として挙げられたXRPとビットコイン(BTC)も、市場を先導するより、外部ショックへの反応が目立った。世界の株式市場の急落や利上げ、インフレ懸念といったマクロイベントが発生すると、暗号資産価格も連動する構図が繰り返し確認されたという。
また、市場間の影響関係は固定的ではないことも明らかになった。研究によると、新型コロナウイルス禍以前は株式市場が他の資産群に一方向で影響を及ぼす構造だったが、パンデミック期には一部の影響が暗号資産側へ移る動きもみられた。暗号資産から株式への影響を示す数値は、パンデミック前の0.0003前後から、パンデミック期には-0.0008へと変化した。
研究チームは、こうした変化について、市場間の結び付きが強まった結果だと解釈した。インフレや戦争、エネルギー危機などのグローバルショックが拡大し、資産クラス間の境界が薄れたことで、暗号資産もその影響を避けにくくなったとみている。金利や信用リスク、流動性の変化がまず株式市場に織り込まれ、その後に暗号資産が追随する流れが目立ったという。
さらに、コロナ禍以降は暗号資産市場が伝統金融市場に一段と取り込まれる傾向が鮮明になったことも、研究の結論の一つとして挙げられた。暗号資産は孤立した市場ではなく、株式に近いリスク資産として動く傾向が強まり、市場間の波及効果も拡大したとしている。危機時に暗号資産の役割が一時的に高まる可能性はあるものの、全体としては伝統金融市場が主導権を握るとの見方を示した。
研究では、転送エントロピー(Transfer Entropy、TE)と独立成分分析(ICA)を用い、資産間の情報の流れを詳細に追跡した。偶然の相関を除去した後も、伝統金融市場の優位性が維持されることを確認したという。
この結果は、XRP投資家が注視すべき変数が暗号資産市場の内部要因にとどまらないことも示している。政策判断や金融市場のストレス、世界景気の動向がXRP価格に直接影響し得るためだ。研究は、XRPを含む暗号資産が依然として後追いの色彩が強いと結論付け、今後の値動きも業界内部の材料だけでなく、ウォール街やマクロ経済の流れに左右される可能性が高いとした。