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ビットコインは週足で21週指数移動平均線(EMA)を上回って取引を終えた。2025年10月以来となる節目の回復で、相場の地合い改善を示すシグナルとして注目されている。一方で、8万ドルの明確な上抜けにはなお至っておらず、市場の関心はFOMCや米物価指標、米国・イラン情勢、デリバティブ市場の清算動向に向かっている。

Cointelegraphが27日付で報じたところによると、ビットコインは8万ドル台の回復には失敗したものの、週足では重要なレジスタンス水準を上回って引けた。テクニカル面では、相場の転換を探るうえで意味のある動きと受け止められている。

TradingViewのBTC/USDチャートでは、21週EMAは昨年10月以降、上値抵抗線として機能してきた。今回の週足終値は、この水準を再び上回った初めてのケースとなる。

現在の21週EMAは、7万6550ドル前後の20週単純移動平均線(SMA)とともに、強気相場で意識されるサポートゾーンの上限を形成している。

市場では、このシグナルを下落トレンド終息の手掛かりとみる向きがある。アナリストのレクト・キャピタルは、ビットコインが21週EMAを下値支持線として回復できなければ、7万3000ドル前後のサポートを再び試す可能性があると指摘していた。

短期的な反発が続いても、このゾーンを維持できなければ、再び下押し圧力が強まる可能性があるという。

もっとも、目先の値動きにはなお強弱感が残る。アナリストのミカエル・バン・デ・ポッペは、足元の上昇モメンタムは強い一方、なお重要な価格帯が上値の節目として残っているとの見方を示した。

同氏は、ビットコインが7万9000ドルを明確に上抜ければ、10万ドル方向への上昇余地が広がる可能性があると分析した。一方で、7万9000ドルを突破できなければ、レジスタンスの再テストまで横ばい圏の推移が続く可能性もあるとしている。

短期的な変動要因としては、清算動向も無視できない。オンチェーン分析企業CoinGlassのデータによると、ビットコインは週足終値の直後に7万9000ドル超のショート清算を先に誘発した後、急反落し、新規に積み上がったロングポジションも清算した。

クリプヌエボは、価格がまず上側の流動性を取り込んだ後、7万ドル台半ばにある下側の流動性を試す可能性があると予想した。同氏は、7万ドルと8万ドルの両水準に、相当規模の潜在的な清算が積み上がっていると述べた。

マクロ環境も今週の重要な変数だ。市場では米国・イラン情勢の不透明感がなお意識されているが、イラン側から交渉提案が示されたことで、リスク資産への選好が一部で持ち直す動きもみられた。

市場分析会社Kobeissi Letterは、ビットコインが7万9500ドルに近づくにつれ、市場のリスクセンチメントが急速に強まっていると分析した。

今週は、米連邦準備制度理事会(Fed)の金融政策決定に加え、ジェローム・パウエル議長の記者会見、Fedが重視する物価指標の発表が控える。中東情勢を背景に米国のインフレ圧力が再び強まるとの懸念も残るなか、これらのマクロイベントはビットコインの短期的な方向感に直接影響する可能性がある。

オンチェーン指標では、機関投資家需要が相場の下値を支えているとの見方も出ている。CryptoQuantのアナリスト、グガオンチェーンは、2026年の弱気局面でも大口投資家はビットコインを売り急がず、デリバティブ市場の恐怖感は決定的な売り材料にならなかったと評価した。

同氏は、2月5日が今回の弱気相場における構造的な底入れ局面だったとし、当時の現物価格と実現価格の乖離は1.34%にとどまったと説明した。2月初旬に6万ドル近辺まで急落した場面で、確信度の低い投資家の退出が相当程度進み、その後は回復基調が続いているとの見方だ。

景気指標では、米購買担当者景気指数(PMI)も中長期の注目材料となっている。PMIが2022年以降で初めて拡大局面に入り、暗号資産を含むリスク資産に追い風となる可能性があるとの分析が出ている。

アナリストのマシュー・ハイランドは、PMIの拡大シグナルに加え、10を超える指標を根拠に、市場で想定される典型的な4年サイクルが今回はそのまま当てはまらない可能性があると指摘した。ビットコインは2月安値を再び割り込むよりも、6万ドル近辺でより高い安値を形成する可能性が高いとしている。

市場の視線は、21週EMAの回復が本格的なトレンド転換の起点になるのか、それとも8万ドル突破に失敗した後、7万3000ドルや7万ドル台の流動性を再び試す調整につながるのかに集まっている。今週のビットコイン相場は、テクニカル上の節目に加え、Fedイベント、中東情勢、機関投資家の需給が重なるなかで方向感を探る展開となりそうだ。

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