HP Koreaのカン・ヨンナム代表(写真=HP)

HPは4月28日、ソウル・清潭で記者懇談会を開き、Agentic AI時代に対応するAI PC、ワークステーション、オンデバイスAIプラットフォーム「HP IQ」を発表した。AIの処理基盤をクラウドやデータセンターだけでなくオンデバイスにも広げ、セキュリティと応答性を両立させる狙いだ。

同社は、従来は人の業務を補助する役割が中心だったAIが、今後は業務内容を理解して実行する段階へ進むとみている。こうした変化に対応するには、大規模データ処理やAIモデルの実行、リアルタイム推論をローカルで担える計算基盤が必要になるという。

こうした考え方を反映したのが、デスクトップワークステーション「HP Z8 Fury G6i」だ。最大4基のNVIDIA RTX Pro 6000 Blackwell GPUを搭載でき、AI開発、シミュレーション、レンダリングなど高負荷ワークロードへの対応を想定する。

HPはあわせて、業界初をうたうシャーシ拡張機構「HP Max Side Panel」も紹介した。GPUの拡張性と保守性を高めるもので、1台で4基のGPUを運用できる構成により、企業がサーバーやクラウドに過度に依存せず、AIモデルの学習や推論を進めやすくするとしている。

モバイルワークステーションでは、「HP ZBook X G2i」「HP ZBook 8 G2」シリーズを公開した。3D設計やレンダリング、AIベースのワークフローを外出先でも処理できるよう設計した製品群で、HP ZBook Xは最大128GBメモリと高性能グラフィックスを備え、複雑なプロジェクト作業を支援する。

さらに、必要に応じてGPUリソースを共有し、ローカル端末の処理能力を補完する「HP Z Boost」も提示した。AI処理に加え、レンダリング業務の生産性向上にもつなげる考えだ。

HP Koreaのカン・ヨンナム代表は「AIは単なる機能を超え、働き方そのものを再定義している」と述べた。そのうえで、PC、プリンター、コラボレーション機器を含むポートフォリオを基盤に、各デバイスが知能的に連携する業務環境を構築していく方針を示した。

ソフトウェア面では、オンデバイスAIプラットフォーム「HP IQ」を発表した。文書の要約、業務の自動化、ファイル整理などを端末内で実行できるのが特徴で、データを外部に送らない構成によってセキュリティを高める。クラウドとの往復による遅延を抑え、高い応答性を確保することも狙う。

HP IQは、デバイス間の接続を自動で認識し、ユーザーの作業コンテキストを引き継ぐ機能も担う。個別機能としてのAIではなく、業務全体を支える基盤として位置付ける。

HP Koreaのソ・ビョンホン専務は「PCは単なるデバイスではなく、業務体験をつなぐプラットフォームへ進化している」と説明した。

業務用PCのラインアップも、Agentic AIの活用を前提に拡充した。「HP EliteBook 6 X G2 AI PC」は最大85TOPSのNPU性能を備え、ローカルでAI演算を実行する。最大28時間のバッテリー駆動と常時接続機能により、ハイブリッドワークへの対応を訴求する。

このほか、コラボレーション用途の「EliteBook 8 G2」、企業・公共機関向けの「EliteBook 6 G2」、中小企業向けの「ProBook 4 G2」、デスクトップの「EliteDesk 8 G2」シリーズも発表した。全製品に「HP Wolf Security」ベースのセキュリティ機能を適用し、企業環境での安定運用を支援するとしている。

HPは、これまでクラウドやデータセンター中心だったAIインフラの主戦場が、Agentic AIの普及に伴ってユーザー端末へも広がるとみる。ワークステーションやAI PCが、次世代の企業向け業務環境を左右する重要な基盤になるとの認識だ。

今後は、Agentic AIの進化に合わせてAIワークステーションとオンデバイスAIプラットフォームを継続的に高度化していく方針。単一の製品ですべての業務をまかなうのではなく、働き方や役割に応じて最適なデバイスを選択する戦略を打ち出した。

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