画像=マース・バン・ベーク氏が公表したレバー不要の自転車ブレーキ構想

オランダの発明家マース・バン・ベーク氏が、ブレーキレバーを使わず、ハンドルを握る動作だけで制動する自転車向け電子制御ブレーキシステムの構想を公表した。100年以上大きく変わってこなかった自転車のブレーキ操作系を見直す試みとして注目を集めている。

モビリティ専門メディアのBikeRadarが27日(現地時間)に報じた。マース・バン・ベーク氏は、ハンドルグリップ内の圧力センサーと中央制御モジュールを組み合わせ、従来のブレーキレバーを不要にする新たな制動機構を公開した。

仕組みは、グリップ内部のセンサーが握る力を検知し、その信号を中央モジュールに送ってブレーキを作動させるというものだ。レバーに手を伸ばす必要がなく、走行中も手の位置を変えずに減速できる点を特徴としている。

同氏は、自転車の各部品が進化を続ける一方で、ブレーキの操作系は1世紀以上にわたりレバー中心のままだった点に着目した。今回の設計について、100年以上続いてきたブレーキレバー中心の概念に挑むものだと説明している。

ハンドル自体にブレーキ機能を組み込むことで、ハンドル上部を握る姿勢を含むさまざまな乗車姿勢でも、同じ操作で制動できるように設計した。緊急時にレバーへ手を移すまでの時間を減らし、安全性の向上につながる可能性があるとしている。

発想のきっかけは実走行中の体験だった。マース・バン・ベーク氏は、走行中に車が割り込んできた際、とっさの制動が難しかった経験からアイデアを具体化したと明らかにした。「ほんの一瞬だったが、ブレーキのコントロールを失った。その一瞬の重みを痛感した」と振り返っている。

システムは電子入力だけに依存しない設計だ。制動力を補うモーターを組み込み、強い力をかけなくても十分なブレーキ性能を得られるようにした。発想としては自動車のサーボブレーキに近く、電子系統の異常に備えた機械式バックアップも盛り込んでいる。

想定する用途は特定のジャンルに限らない。ドロップハンドル上部を主に握るパフォーマンス系ロードバイクに加え、日常利用の自転車にも応用できる可能性があるという。単なる部品の改良ではなく、自転車全体の操作体系を再設計するアプローチと位置付けている。

もっとも、現時点ではコンセプト段階に近い。特許出願と設計の公開は行ったものの、実際に作動する試作機はまだ完成していない。製品化に向けては、制動応答の速さや耐久性、故障時の対応機構などを検証する必要がある。

今後は、自転車ブランドや部品メーカーとの協業を進める計画だ。ブレーキレバーをなくす新方式が実際の製品化に結び付くかどうかは、試作開発の進展と業界パートナーの確保が鍵を握る。

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