画像=Overview Energy

Metaは、宇宙で集めた太陽光を地上に送る技術を手がけるOverview Energyと、最大1GWの電力供給に関する契約を結んだ。AI向けデータセンターの拡張で電力需要が急増するなか、既存の再生可能エネルギー調達に加え、夜間電力を補う新たな供給手段の確保を目指す。

TechCrunchが4月27日(現地時間)に報じたところによると、今回の契約は、Overview Energyが将来的に供給する宇宙太陽光由来の電力をMetaが受け入れる内容。Overview Energyにとっては、初の大口需要家との契約となる。

背景にあるのは、データセンターの電力消費の拡大だ。Metaのデータセンターは2024年時点で1万8000GWh超の電力を消費しており、米国の約170万世帯の年間使用量に相当する。Metaは再生可能エネルギーの調達量を合計30GW規模まで拡大する方針で、これまで太陽光を中心に電源ポートフォリオを広げてきた。

ただ、太陽光発電には夜間に発電できないという課題がある。このため、夜間は蓄電池や他の電源への依存が避けられない。Overview Energyは、この供給ギャップを宇宙からの送電で埋める構想を打ち出している。

同社は、衛星で集めた太陽光を近赤外線に変換し、地上の太陽光発電所に照射する方式を開発している。地上側では受け取ったエネルギーを電力に変換して利用する。高出力レーザーやマイクロ波ではなく、広範囲に届く赤外線ビームを使うことで、安全性を確保しつつ規制対応の負担も抑える考えだ。同社によれば、ビームは人体に害のない水準としている。

既存の地上太陽光インフラを活用できる点も特徴だ。大規模な受信設備を新設するのではなく、既存の発電所に必要な設備を追加することで運用できるとしている。

一方、実用化は中長期の計画となる。Overview Energyはすでに航空機を使った地上送電の実証を終えており、2028年1月には低軌道衛星を使った初の宇宙送電試験を計画している。Metaとの契約履行に向けた本格的な衛星配備は、2030年以降を目標とする。

最終的には、静止軌道に約1000基の衛星を配置し、各衛星が10年以上にわたって電力を供給する体制の構築を目指す。対象地域としては、米国西部から西欧にかけて広がる太陽光発電所群を想定している。

今回の契約は、AI時代の電力調達が、再生可能エネルギーの確保にとどまらず、送電方式そのものの革新にも広がっていることを示す。ただ、商用化の成否は今後の宇宙実証と衛星配備の進展にかかっている。

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