AIストーリーテリングラボ「PROM」のキム・ウジョン・ディレクターは5月8日に、AI時代のクリエイターに向けた創作方法論をまとめた書籍『ストーリーエンジニアリング』を発売する。
本書の柱となるのは、キム・ウジョン氏が考案した「物語の鎖(Chain of Story、CoS)」フレームワークだ。思考の連鎖を示すCoT(Chain of Thought)をストーリーテリング向けに再解釈したもので、「良い物語は一度では生まれない」との考え方を前提にしている。タイトル案、ログライン、登場人物、アウトライン、場面、シナリオ、トリートメント、編集へと工程を積み上げ、段階ごとに物語の完成度を高めていく構成だ。
AIを活用した物語制作では、こうした要素を順に接続しながら叙事を組み立てていくプロンプティング手法であり、従来の断片的なプロンプトの寄せ集めとは一線を画すと説明している。
書籍にはCoSに加え、「ヒューリスティック・プロンプティング(Heuristic Prompting)」も盛り込んだ。創作者の直感とAIの論理を組み合わせ、対話を戦略的に設計しながら、予期しない洞察を引き出す手法だ。創作プロセス全体を視野に入れたアプローチとして位置付けている。
キム・ウジョン氏は「AIとの協業で最も重要なのは主導権だ」としたうえで、「AIに振り回されるのではなく、戦略的に活用することが、AI時代の語り手にとって生き残る術だ」と強調した。
また、「物語の鎖(Chain of Story、CoS)」フレームワークを自動化し、個々の利用者に合わせて最適化するツールとして、「ストーリーアシスタント」の構想も紹介する。毎回一から説明しなくても、AIがプロジェクトの文脈を把握した状態で対話を始められる環境づくりを重視するという。
キム・ウジョン氏は2023年からAIを活用したストーリー制作とコンテンツ制作に取り組み、2024年にAIストーリーテリングラボ「PROM」を設立した。