Intelの2026年1〜3月期決算は、市場予想を上回る増収となった。背景には旺盛なCPU需要があり、従来は下位グレード向けとみなされるCPUまで販売が広がったことで、収益性の改善につながった可能性がある。
オンラインメディアのGigazineが4月27日(現地時間)に報じた。Intelの1〜3月期売上高は136億ドル(約2兆4000億円)で、前年同期比7%増だった。
市場の関心を集めたのは利益面だ。アナリストのベン・バザリン氏は、IntelのIR部門から聞き取った内容として、顧客が通常なら販売対象になりにくい低選別のCPUまで積極的に購入し、それが実質的な利益押し上げ要因になったと説明した。
今回の歩留まり改善は、単なる製造効率の向上というより、これまで販売余地が限られていたチップまで市場で吸収された結果だという見方が出ている。
CPU製造では、ウエハーから個々のダイを切り出す。一般に、ウエハー外縁部のダイは中心部に比べて品質のばらつきが大きく、性能面で不利になりやすいとされる。こうした個体も需要の強さを背景に販売が進んだ可能性がある。
バザリン氏は、足元のCPU需要が強く、従来なら下位品に回るようなCPUの販売が大きく伸びたと指摘した。以前であれば敬遠されがちだった性能帯のチップも受け入れられているという。
こうした動きの背景には、Intelを取り巻く競争環境の変化もある。Intelはここ数年、市場シェアの低下が続いており、AMDに押されてきた。
Gigazineは、AMDのシェアがデスクトップPCで36%超、ノートPCで26%、サーバーで30%近くに達したと伝えた。需要が高水準で推移するなか、Intelとしては販売可能なチップの裾野を広げ、業績を下支えするインセンティブが大きかったとみられる。
業績指標も市場予想を上回った。1株当たり利益(EPS)は大幅な上振れとなり、報道によれば市場予想を約3000%上回ったという。
売上高の伸びは7%にとどまったものの、販売ミックスの変化によって収益性の改善効果が大きくなった可能性がある。
Intelは今後の事業拡大につながる動きも示した。Googleと複数年契約を結び、次世代AI開発向けチップを供給する。
PC向けCPU市場で競争が激しくなるなか、AIインフラ需要を新たな成長ドライバーとして取り込む狙いとみられる。
今回の1〜3月期決算は、単なる売上高の持ち直しではなく、販売可能なチップの範囲がどこまで広がったかを映す事例ともいえそうだ。
今後は、CPU需要が現在の強さを維持できるかに加え、Intelが今回の収益性改善を一時的な追い風で終わらせず、シェア防衛や新規契約の拡大につなげられるかが焦点となる。