Yeochun NCCは27日、ナフサ分解工場の稼働率を65%に引き上げたと発表した。政府による補助金政策に加え、金融機関の支援体制整備が進展したことで、原料の輸入・調達環境の改善が見込めると判断した。
同社は国内最大のナフサ分解設備(NCC)の運営会社。今回の引き上げにより、稼働率は従来の60%から65%となる。
背景には、需給安定化に向けた政策支援の進展がある。政府はナフサ購入補助金の支援策を実施しており、これに金融面での支援体制整備が加わったことで、同社は供給環境が一定程度改善したとみている。
Yeochun NCCは、中東情勢の長期化に伴う原料価格の上昇と需給不安の高まりを受け、先月の稼働率が55%まで低下していた。さらなる稼働抑制も検討していたという。
その後、政府がナフサ輸入単価の上昇分の50%を補助する政策を打ち出したことを受け、同社は今月10日に稼働率を60%へ引き上げていた。
今回の追加引き上げには、金融機関の対応も影響した。23日には金融機関が「中東情勢に対応したナフサ向け金融支援体制」の構築で合意し、原料輸入を巡る環境の改善期待が高まっていた。
同社は、こうした支援策を踏まえて、稼働率を65%へ引き上げることを決めたと説明している。
また、中東地域への依存度を下げるため、ナフサの調達先の多様化も進めている。ギリシャ、アルジェリア、ナイジェリア、エジプト、オマーン、サウジアラビアなどからナフサを確保し、サプライチェーンの安定化につなげているという。
石油化学産業は、ナフサを原料にエチレンやプロピレンなどの基礎化学品を生産する。これらはビニールやペットボトル、各種包装材、容器など、日常生活で使われるプラスチック製品の主要原料となる。
今回の稼働率回復は、こうした関連製品の供給安定化にもつながるとみられる。
同社関係者は「政府の積極的な需給安定化策により、業界の心理的、経済的負担は一部和らいでいる」とコメントした。そのうえで「支援体制が現場で円滑に機能することを期待している。今後も需給動向と政府支援を見極めながら、稼働率を段階的に引き上げていく方針だ」と述べた。