Rippleのデイビッド・シュワルツ最高技術責任者(CTO)は、中央銀行との協力拡大を背景に広がる「XRPが政府に近く採用される」との観測を否定した。秘密保持契約(NDA)の存在は認めつつも、通常の契約手続きにすぎず、直ちにXRPを巡る重大発表や国家レベルの採用を意味するものではないと強調した。
ブロックチェーンメディア「The Crypto Basic」が4月24日付で伝えたところによると、シュワルツ氏は最近出演したポッドキャストで、XRPを巡る「水面下での大規模導入」説について「事実ではない」と述べた。Rippleが一部パートナーとNDAを結んでいるのは事実だが、それを根拠に大きな発表が近いとみるのは適切ではないとの認識を示した。
今回の発言は、XRPコミュニティで繰り返し取り沙汰されてきた非公開契約を巡る見方を牽制する内容だ。シュワルツ氏は、企業間の協業でNDAは一般的な手続きだとしたうえで、そこから政府レベルでの採用や大型案件を推測するのは飛躍があると指摘した。
発端となったのは、Ripple取締役ジェームズ・ウォリス氏の過去の発言だ。ウォリス氏は、Rippleが約30の中央銀行と接触していると説明しており、一部コミュニティではこれをもとに「表に出ていない大型契約」が進んでいるとの見方が広がっていた。これに対しシュワルツ氏は、そうした協力関係は完全な秘密ではなく、すでに公表済み、あるいは段階的に明らかになってきた内容だと反論した。
実際、Rippleは中央銀行デジタル通貨(CBDC)分野で複数の国と協力してきた。モンテネグロとのプロジェクトのように、公式に公表された事例もある。こうした動きを受け、Rippleのデジタル通貨インフラ技術が各国で検討対象になっているとの見方も出ていた。
ただ、中央銀行関連のプロジェクトは一般企業との契約とは性格が異なる。規制当局の審査や試験運用に時間を要し、公表までに数年かかる場合もある。シュワルツ氏はこうした事情を踏まえ、主要機関との連携が活発であっても、それが直ちに政府によるXRP採用につながるとみるのは現実的ではないとの立場を示した。
同氏は特に、中央銀行との協力事実と、国家がXRPを採用するとの結論を同列に扱うべきではないと強調した。政府が自国通貨をXRPで裏付けるといった見方は、過度な推論だと牽制している。
また、未確認情報や陰謀論に基づく投資判断にも強く警鐘を鳴らした。隠れた契約や未公表の発表を前提に投資を判断すれば、結果として投資家自身を誤った方向に導くおそれがあると指摘した。
市場ではこれまで、Rippleの中央銀行との協力拡大がXRP価格の上昇や公式採用につながるかに関心が集まってきた。今回の発言は、RippleのCBDC事業とXRPの実際の活用可能性は分けて考える必要があることを改めて示した形だ。
今後の焦点は、Rippleが進める中央銀行との連携が実際のサービスに結び付くかどうか、またその過程でXRPがどのような役割を担うかに移る。