宇宙・防衛関連への投資熱が高まる中、衛星や通信、航法といった宇宙インフラに直接投資するETF(上場投資信託)への関心が強まっている。従来の防衛株中心型の商品から、より投資対象を絞り込んだ宇宙テーマETFへと資金が移る流れが出ている。
CNBCが4月24日付で報じたところによると、投資家の間では、航空宇宙・防衛分野を幅広くカバーするETFよりも、宇宙技術や関連インフラを主軸に据えた商品への選好が強まっている。
VettaFiのリサーチ責任者シンシア・マーフィは、宇宙を前面に打ち出したETFが増えているとして、代表例にProcure Space ETFとGlobal X Defense Tech ETFを挙げた。マーフィは、防衛テーマはもはや従来型の兵器システム企業だけを指すものではなく、衛星、通信、航法、サイバーセキュリティまで含む領域へ広がっていると説明した。
実際、足元の運用成績にも差が出ている。2月末以降、地政学リスクが意識される中で、Procure Space ETFは約19%上昇した。一方、Global X Defense Tech ETFは8%下落。同じ期間に、従来型の防衛関連ETFの代表格であるiShares U.S. Aerospace & Defense ETFも約10%下落した。同ETFの主要組み入れ銘柄にはGE Aerospace、RTX Corporation、Boeingが含まれる。
市場では、宇宙分野を一時的な地政学テーマではなく、中長期の成長分野とみる見方も出ている。マーフィは、緊張が高まるたびに関連テーマが物色される一方、宇宙分野は技術革新が継続し、資金流入も続きやすい領域だと評価した。あわせて、各国政府が今後5〜10年で宇宙・防衛分野への投資を大幅に増やす計画にある点も強調した。
宇宙関連投資への期待を押し上げる材料としては、SpaceXのIPO観測もある。市場では、同社の上場期待を背景に、宇宙テーマ全般への関心が広がっている。
防衛セクター全体に対する強気見通しも続いている。SS&C Technologiesのポール・バヨキは、世界的な防衛予算の増加を背景に、関連資産を取り巻く収益環境を前向きに評価した。官民の大型投資が続くことで、原材料やエネルギーインフラ、電化設備まで幅広い分野に恩恵が及ぶ可能性があると述べた。
AIインフラ投資の拡大も新たな材料になっている。バヨキは、AIインフラの整備が進む過程で、半導体に加えて電力、送電、建設資材など幅広い分野で供給制約が生じていると指摘。防衛分野でも、レアアースの供給が重要な制約要因になるとの見方を示した。
宇宙・防衛ETF市場では、従来の防衛株中心の構図から、衛星、サイバーセキュリティ、通信、資源サプライチェーンまでを含む形へと投資対象の広がりが進んでいる。今後の市場動向は、地政学リスクに加え、各国の防衛予算拡大、SpaceXのIPO観測、AIインフラ投資の行方が左右しそうだ。