CLARITY法案を巡る審議は停滞が続く。写真=Reve AI

米暗号資産市場構造法案「CLARITY法」の審議が約1カ月にわたり停滞し、選挙前の成立に向けた時間的余裕が急速に乏しくなっている。上院の日程が詰まるなか、法案を前に進めるには上院銀行委員会によるマークアップ着手が当面の焦点となる。

CoinDeskが26日(現地時間)に報じたところによると、CLARITY法は今月中の審議進展が難しい状況にある。議会日程を踏まえても、選挙前に法案を成立へ持ち込むための猶予は限られているという。

日程面では、メモリアルデー(5月最終月曜日)が事実上の節目として取り沙汰されてきた。夏場に入ると議員は選挙活動を優先し、ワシントンを離れる時間が増えるため、暗号資産法案を含む主要法案の審議に充てられる時間は一段と減る見通しだ。

CLARITY法は、暗号資産業界が求めてきた市場構造の原則や規制の枠組みを法律として明文化する性格が強い。米証券取引委員会(SEC)の見解表明だけでは恒久的な指針にならず、正式な規則制定には意見募集などの手続きが必要となるため、法制化を急ぐべきだとの声が強まっている。

業界の危機感も高い。先週には100人超の業界関係者が、上院銀行委員会に対し、マークアップの実施を求める公開書簡に署名した。

マークアップは法案成立に向けた初期段階に当たるが、上院銀行委員会が実際にいつ動くかはなお見通せない。

論点整理も終わっていない。上院での議論では、ステーブルコインの利回り提供を巡る問題が引き続き中心となっており、そのほかの未解決事項も公の場で十分に整理されていない。

仮にこうした争点が解消しても、法案修正が入れば下院で改めて採決が必要になる。

下院金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長は今月初め、下院案ではステーブルコインの販売慣行や分散型金融(DeFi)を巡る主要論点について、相当程度整理が進んだとの認識を示した。

そのうえで、上院側でも共通項を見いだせるとの見方を示し、前会期のFIT21(21世紀のための金融イノベーション・技術法案)や今会期のCLARITY法案には、下院側の検討内容がかなり反映されていると説明した。上院農業委員会のマークアップや、上院法案草案の複数の要素にも、その流れが表れているとした。

もっとも、議会日程は暗号資産法案に追い風とは言いにくい。休会前には下院の予算法案を処理する必要があるほか、上院はケビン・ウォーシュの連邦準備制度理事会(Fed)議長指名に対する承認の可否も検討しなければならない。

こうした事情から、暗号資産法案の優先順位が後退する可能性がある。

CLARITY法を巡っては、法案の内容そのものに加え、審議日程と手続きが最大の変数として浮上している。業界は、次期政権でも容易に覆されない規制枠組みを法律で確定させたい考えだが、上院審議の遅れに加え、下院での再採決の可能性も踏まえると、選挙前の成立はなお見通しにくい。

当面の注目点は、上院銀行委員会がマークアップ手続きに踏み出せるかどうかだ。あわせて、ステーブルコインの利回り提供を含む残る争点を、どこまで早期に整理できるかも問われる。

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