Bitcoinが投資対象にとどまらず、セキュリティ基盤や国家戦略の一部として扱われ始めていることを示した。写真=Shutterstock

米国防総省がBitcoin(BTC)ノードを直接運用し、ネットワークのセキュリティ検証を進めていることが明らかになった。軍当局がこうした取り組みを公式に認めたのは初めてで、Bitcoinを国家安全保障に関わる資産・技術とみなす動きが各国で広がりつつある。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanによると、米インド太平洋軍(USINDOPACOM)のサミュエル・パパロ・ジュニア司令官は26日、議会の公聴会で、Bitcoinが国家安全保障と結び付くとの認識を示した。

パパロ司令官は上院公聴会で、Bitcoinを「現実の存在」と位置付けたうえで、「パワープロジェクションに資する価値あるコンピューターサイエンスのツール」と評価した。経済的価値にとどまらず、サイバーセキュリティ分野でも重要な技術的応用があると強調した。

続く下院公聴会では、国防総省がBitcoinノードを自ら運用していることも明らかになった。パパロ司令官は、国防総省がBitcoinプロトコルを活用し、ネットワークの保護・防御に向けた複数の運用テストを実施していると説明した。

Bitcoinを国家戦略資産として位置付ける動きは米国に限らない。イランはホルムズ海峡を通過する船舶の決済にBitcoinを活用しており、台湾は金融ショックへの備えとして準備資産への組み入れを検討している。ロシアも国際貿易決済への導入方針を示している。

一方、中国の動きは複雑だ。2021年には環境問題や金融リスクを理由に暗号資産関連の活動を禁止したが、同時に世界で2番目の規模のBitcoin保有主体とみられている。国内でも準備資産としてBitcoinを検討する動きがあるという。

米中の対立は、Bitcoinの保有を巡る法的な応酬にも広がっている。米司法省は、詐欺容疑が持たれている中国人実業家のチェン・ジー(Chen Zhi)から約12万7000BTCを押収したと公表した。これに対し中国側は、米国が過去のハッキングを通じてBitcoinを確保したと主張し、反発している。

米議会では、マイニングの供給網における中国依存を引き下げる動きも出ている。ビル・キャシディ、シンシア・ルミス両上院議員は「Made in America」法案を提出し、中国製マイニング機器の使用制限を進めている。世界のマイニング機器市場では、Bitmainのシェアが80%超に達すると推定されている。

法案には、2027年以降に中国製の新規機器導入を禁止し、2030年までに既存機器の使用も停止する内容が盛り込まれた。あわせて、マイニング企業が生産したBitcoinを米財務省に売却した場合の税優遇措置も含まれている。

その一方で、中国は規制をさらに強化している。オンライン上での暗号資産の宣伝を全面的に禁じる規定を導入し、9月30日に施行する予定だ。

米国がBitcoinを軍事・セキュリティ技術として検証し、戦略資産化を進めるのに対し、中国は国内規制の強化と対外的な保有戦略を並行させる構えを見せている。米中の競争は通貨や金融の枠を超え、Bitcoinネットワーク、マイニング供給網、国家備蓄を巡る領域へと広がっている。

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