暗号資産市場では大口投資家の動向が注目されている。写真=Reve AI

分散型取引所Hyperliquidで活動する大口トレーダーが、Bitcoinで3800万ドル相当のショートポジションを維持していることが分かった。短期的な相場調整を見込んだ動きとして、市場の関心を集めている。

Cointelegraphが現地時間25日に報じたところによると、このトレーダーはBitcoinに加え、複数のアルトコインでも下落を見込むポジションを取っている。

もっとも、これだけでBitcoin相場全体が弱気に傾いたと判断するのは難しい。Bitcoinは24日に7万8000ドル台を維持できなかった一方、2月6日に付けた年初来安値の6万100ドルからは29%上昇している。市場ではなお、中長期での上昇余地を見込む見方も残る。

注目を集めているのは、Hyperliquid上のアドレス「0x7fda...c517d1」で、「BobbyBigSize」として知られるアカウントだ。2025年10~11月の下落局面では、Ethereum、Hyperliquid、Avalanche、Fartcoinなどでレバレッジをかけたショートを構築し、利益を上げた。過去7カ月の累計利益は1億5900万ドルとされる。

一方で、直近30日では56万1000ドルの損失を計上しており、足元の成績は冴えない。

このアカウントは過去に、BitcoinとSolanaで短期のロングポジションも運用していた。アルゴリズム取引をベースに、Hyperliquidだけで累計110億ドル規模の取引を執行したという。現在の同プラットフォームへの預け入れ資産は1940万ドル。全取引の63%が利益となっており、高い勝率を示している。

足元のポジションは総じて弱気寄りだ。Bitcoinで3800万ドルのショートを抱えるほか、複数のアルトコインでもショートを保有している。

ただ、先週には2100万ドル規模のEthereumのレバレッジ・ロングを新たに構築した。短期的なEthereum反発を見込んだ可能性がある。

保有期間も比較的短い。Hyperdashによると、平均取引期間は2週間をやや上回り、中央値の保有期間は4日未満だった。長期トレンドに一方向で賭けるというより、短期的なボラティリティを捉える取引スタイルに近い。

このアドレスの実質的な所有者を巡っては、さまざまな観測も出ている。Arkhamのデータでは、過去に資産運用会社Fasanara Capitalとの関連が指摘されたことがある。

Fasanara Capitalのウェブサイトによると、同社は2018年に発足した。市場中立戦略とベンチャー投資に4億ドル、流動性の高い複数市場を対象とするクオンツ型マルチマネジャー戦略に1億5000万ドルを運用している。ただ、暗号資産の運用戦略については具体的に開示していない。

デリバティブ市場では需給が交錯している。HyperliquidではBitcoinとEthereumの資金調達率が小幅なプラスとなっており、レバレッジをかけたロング需要が完全には失われていないことを示した。一般に中立的な市場では、ロングポジションの維持コストは年率換算で6~12%程度とされる。

これに対し、BinanceとBybitでは資金調達率がマイナスに転じており、ショート需要の高まりを示した。

結局のところ、この大口トレーダーのポジションだけで市場全体の方向感を判断するのは難しい。直近2カ月で損失が出ていることからも、単一の戦略が継続的に機能する局面ではないことがうかがえる。

それでも、足元で弱気ポジションが積み上がっているのは事実だ。市場全体でもショート需要の拡大と重なっており、Bitcoin相場については7万5000ドル近辺を再び試す可能性への警戒感が残っている。

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