相次ぐハッキング被害の余波が、通信3社の2026年1〜3月期業績にも波及しそうだ。市場予想では、SK TelecomとKTは補償費用や販促費の増加が重荷となり減益が見込まれる。一方、LG UplusはMNP流入と新規事業の拡大を追い風に、3社で唯一の増収増益となる見通しだ。
エフアンドガイドが27日に公表した市場予想によると、SK Telecom、KT、LG Uplusの3社合計の営業利益は1兆2992億ウォンと、前年同期の1兆5116億ウォンから14.08%減る見込み。売上高は15兆310億ウォンで、前年同期の15兆469億ウォンとほぼ横ばいとなる見通しだ。
企業別では差が鮮明だ。KTの営業利益は5053億ウォンと前年同期比26.64%減、売上高は6兆7697億ウォンで同1.10%減が見込まれている。昨年末から本格化したハッキング関連の顧客補償が費用増につながったとみられる。
KTは昨年12月31日から今年1月13日までの14日間、違約金免除を実施し、この間に約23万人の加入者が流出した。4500億ウォン規模の顧客補償パッケージに加え、販促費の増加も第1四半期業績の重荷になったとの見方が出ている。前年に計上した不動産売却益など一時要因の反動も、収益悪化を大きくした要因とされる。
SK Telecomも軟調な着地が予想される。営業利益は5127億ウォンで前年同期比9.64%減、売上高は4兆3976億ウォンで同1.26%減の見通し。USIMハッキング後のセキュリティ投資拡大や販促費の増加が反映され、収益回復が遅れているとみられている。
これに対し、LG Uplusは3社で唯一、売上高と営業利益の両方で増加が見込まれている。営業利益は2812億ウォン、売上高は3兆8637億ウォンで、それぞれ前年同期比10.07%増、3.09%増の予想だ。競合他社のトラブルを受けたMNP流入で加入者基盤が拡大したことに加え、B2B事業やデータセンター売上の伸長、AIコンタクトセンター(AI CC)ソリューションの拡大も寄与したとみられる。
もっとも、中長期では3社とも成長余地があるとの見方もある。第1四半期の減速が見込まれるSK TelecomとKTについても、下期以降は段階的に業績が持ち直す可能性が高いとする分析が出ている。
SK Telecomについては、費用負担が膨らむ中でも事業基盤は維持しているとの評価がある。無線加入者の純増基調に加え、AIデータセンター(AIDC)やGPUベースのサービスであるGPUaaSなど新規事業が本格化しており、中長期の成長期待はなお大きい。5Gスタンドアロン(SA)の導入が進めば、料金プランのアップセルとネットワーク効率化が同時に進むとの見方も示されている。
ハナ証券のキム・ホンシク研究員はレポートで、「国内でも容易ではないが、ネットワーク投資を断行できるよう新たな5G SA料金プランを投入すべきだとの意見が多く言及された」としたうえで、「料金プランのアップセルに向けた動きが出てくるとの期待が生まれている」と述べた。
KTについても、短期的な業績不振とは別に反発余地は大きいとの分析がある。IBK投資証券のキム・テヒョン研究員はレポートで、「少額決済被害と個人情報流出問題による不確実性は、解消局面に入ったと判断する」と指摘した。
さらに、最近の組織改編を通じた費用構造の効率化や、B2Bを軸にしたAX戦略の強化も期待材料とされる。法人向けAI・クラウド事業の拡大と既存の通信インフラを組み合わせた「AXプラットフォーム企業」への転換が具体化すれば、業績回復のペースが速まる可能性がある。
LG Uplusは、AIデータセンター(AI DC)など新規事業の成長が期待される一方、懸念材料も抱える。加入者識別番号(IMSI)の設計を巡る議論やセキュリティ問題が浮上しており、前年にSK TelecomとKTのハッキング事故で取り込んだ流入効果が薄れる可能性があるためだ。市民団体などを中心に違約金免除を求める動きも広がっており、今後の加入者維持に負担となる可能性も指摘されている。
業界関係者は「LG Uplusの業績改善には外部要因も作用しており、成長の持続性は見極めが必要だ」としたうえで、「足元ではセキュリティを巡る論争も起きており、信頼回復のスピードが中長期業績の重要な変数になる」と話した。