写真=Satsuma Technology

ロンドン上場のSatsuma Technologyで、保有するビットコイン(BTC)の売却と株主への資本還元を求める動きが表面化した。時価総額が保有BTCの評価額を下回るなか、経営陣の退任も重なり、同社のビットコイン財務戦略の継続可否に注目が集まっている。

23日付の暗号資産メディアCryptoPolitanによると、Pantera Capitalが主導する投資家グループは、Satsumaが保有する約5026万ドル相当のビットコインを売却し、会社を清算するよう求めている。

背景にあるのは、時価総額と保有資産価値の逆転だ。Satsumaの時価総額は約2465万ポンドにとどまり、同社が保有する645.7BTCの評価額である約5026万ドルを下回っている。

株価は2025年6月の高値から99%超下落し、足元では20ペンス台前半で推移している。ビットコインの平均取得単価は11万3512ドルだが、現在の価格は約7万7000ドルにとどまり、含み損は30%超に達しているという。

Satsumaは2025年8月、AIを活用したビットコイン財務戦略を導入し、積極的な資金調達を進めた。転換社債に近い性格の貸付債権を通じて1億6400万ポンドを確保し、強気相場のなかでビットコイン購入を拡大していた。

ただ、その後は市場が弱気に転じ、ビットコイン価格は高値から約40%下落。株価も急落した。

株主側の要求はすでに経営陣にも伝えられている。会社側は、一部投資家から「資本還元」を正式に求められていると公表しており、その中心に約7%を保有するPantera Capitalがいるとされる。

経営面の混乱も続いている。ヘンリー・エルダーCEOとアンドリュー・スミスCFOは2026年3月に相次いで退任し、先行き不透明感が強まった。

今回の事例は、ビットコインを財務資産として積み上げる戦略のリスクを改めて浮き彫りにしている。実際、保有資産価値と株価の乖離を縮めるため、売却に踏み切る企業も出てきた。

Empery Digitalはビットコインを売却し、その資金を自社株買いに充てている。平均7万4425ドルで20BTCを売却し、約150万ドルを確保。これを原資に株式を買い付け、株価の下支えを図った。

一方で、逆の戦略を取り続ける企業もある。マイケル・セイラー氏が率いるStrategyは、ビットコインの継続購入を進めている。

同社は最近、3万4164BTCを約25億ドルで追加取得した。優先株と普通株の発行で資金を調達し、積極的な買い増しを続けている。

現在の保有量は約81万BTCで、上場企業としては突出した規模とされる。

市場では、同じビットコイン財務戦略でも、資金調達手段や株価の下支え余力によって明暗が分かれるとの見方が強まっている。Satsumaは、保有資産価値を下回る時価総額、経営陣の離脱、株主による清算要求が重なり、戦略の見直しを迫られる局面に入っている。

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