台湾株式市場の時価総額が今月、4兆1400億ドルに達し、英国を上回って世界7位に浮上した。AI需要の拡大を背景に半導体関連株が上昇し、とりわけTSMCの株高が市場全体を押し上げている。輸出受注の急増や海外投資家の資金流入も重なり、台湾市場への評価が一段と高まっている。
BeInCryptoは23日(現地時間)、台湾市場の時価総額拡大の背景として、AI技術の普及に伴う半導体需要の急増を挙げた。
その中心にあるのがTSMCだ。Kobeissi Letterによると、台湾市場の時価総額は2020年以降で3倍に拡大した。原動力となったのは、AI関連需要を起点とする半導体株の急騰だという。この間、TSMC株は680%上昇し、株価は過去最高値圏で推移している。台湾市場全体の時価総額に占めるTSMCの比率は40%を超える。
業績面でも追い風は鮮明だ。TSMCの1〜3月期純利益は5724億8000万台湾ドルで、前年同期比58.3%増だった。売上高は1兆1340億台湾ドルと同35.1%増。このうち、AI向け需要を含む高性能コンピューティング部門が1〜3月期売上高の61%を占めた。AI需要が期待先行にとどまらず、実際の収益構成にも反映され始めていることを示している。
資金面でも台湾市場への流入が加速している。海外投資家は4月に入ってから台湾株を89億ドル買い越した。このペースが続けば、月間としては過去最大の資金流入となる可能性がある。Kobeissi Letterは、AIが世界の株式市場の構図を変えつつあると分析。台湾市場がAIハードウェア投資を最も直接的に映す市場と受け止められ、資金が集まっているとみている。
実体経済の指標も同様の方向を示している。台湾の3月の輸出受注は前年同月比65.9%増の911億2000万ドルとなった。伸び率は16年余りで最大で、14カ月連続の増加となる。株式市場だけでなく、輸出の現場でもAI関連の半導体やハードウェア需要が台湾経済を押し上げている構図が鮮明になっている。
対照的に、英国株式市場の時価総額は4兆900億ドルにとどまった。Kobeissi Letterは、英国市場が2013年の高値や金融危機前の水準から大きく伸びていない点にも触れている。一方の台湾は、AIハードウェア需要拡大の恩恵を取り込み、市場規模そのものを急速に拡大させた。
Kobeissi Letterは、台湾市場を実質的にAIハードウェア需要の指標と位置付けている。世界でAI関連投資が増えるほど、その資金の流れが台湾株式市場に向かう可能性が高いという見方だ。台湾株の上昇、TSMCの業績拡大、海外資金の流入、輸出受注の急増が同じ方向を向いていることから、AIが台湾経済の位置付けを変える流れは当面続く可能性が高い。