ビットコイン(BTC)がこの1カ月で10%超上昇し、7万9000ドル台を回復した。一方で、足元の上昇は先物市場主導の色合いが強く、オンチェーン指標からは短期的な調整リスクも浮かび上がっている。市場では、現物需要が戻るかどうかが次の焦点となっている。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、23日(現地時間)のビットコインは一時7万9000ドルを上回り、2月初旬以来の高値を付けた。その後も7万8000ドル台を維持し、日次では2.54%上昇した。ただ、市場では上昇基調が続くかどうかは新規資金の流入次第との見方が出ている。
警戒材料として挙がるのは、先物市場中心の上昇、短期保有者の利益確定の拡大、主要な抵抗帯への接近の3点だ。
CryptoQuantのリサーチ責任者フリオ・モレノは、今回の反発について、無期限先物への依存度が高い一方、現物需要はなお弱いと指摘した。「現物需要の減少ペースは鈍化したが、構造的なぜい弱さは残っている」としたうえで、「利益確定売りと需要低迷が重なれば、調整リスクは高まる」と述べた。この構図は、ビットコインが9万8000ドル近辺で高値を付けた後に急落した1月の局面と似ているとの見方もある。
オンチェーン指標も売り圧力の強まりを示している。Glassnodeによると、短期保有者の実現利益の24時間単純移動平均は、1時間当たり440万ドル(約6億6000万円)まで上昇した。今年の局所的な高値局面で確認された基準線の150万ドル(約2億2500万円)を約3倍上回る水準だ。Glassnodeは「意味のある新規需要が入らなければ、この供給を吸収するのは難しく、価格が反落する可能性がある」と分析した。
価格帯別の損益状況も上値の重さにつながっている。ビットコインは足元で、短期保有者(保有期間1~3カ月)の平均取得単価が集中していた約7万4300ドルを再び上回った。これにより、6万~7万ドル台で買った投資家の多くが含み益圏に入り、利益確定売りに動きやすくなっているという。
さらにビットコインは、約7万8100ドルの「実質市場平均(True Market Mean)」を上抜けた。これは強気材料と受け止められる半面、短期的な過熱を示すサインでもある。次の主要な抵抗帯は約8万500ドルとされ、この水準は短期保有者の平均取得単価とも重なる。ここを上抜ければ、直近の買い手の54%超が利益圏に入る計算になる。
Glassnodeは、こうした需給構造が短期的な天井形成の可能性を高めるとみている。実質市場平均の上抜け自体は前向きな材料だが、目先では局所的な高値を付ける局面に入りつつあり、値動きには注意が必要だとしている。
今後の方向性を左右するのは新規の買い需要だ。上昇が続くには、先物市場ではなく現物市場での資金流入が利益確定売りを吸収する必要がある。これをこなせなければ、ビットコインは7万9000ドル台回復後に再び上値を抑えられる展開を繰り返す可能性がある。