写真=Wikimedia Commons/米共和党のシンシア・ルミス上院議員

米共和党のシンシア・ルミス上院議員は23日、ビットコインの国家安全保障やサイバー防衛への活用に期待を示すとともに、デジタル資産市場の制度整備を進めるClarity Actの早期成立を議会に求めた。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、ルミス議員は、サミュエル・パパロ提督が上院軍事委員会で証言した直後、ビットコインを米国の戦略資産として受け入れるべきだと訴えた。

発言の焦点となったのは、ビットコインの価格ではなく、安全保障インフラへの応用可能性だ。パパロ提督は21日の上院軍事委員会公聴会で、米インド太平洋軍がビットコインノードをリアルタイムで運用し、このプロトコルを軍のネットワーク防衛に活用する試験を進めていると説明した。プルーフ・オブ・ワーク(作業証明)に基づく仕組みは、従来のアルゴリズムベースの防御手法よりも、攻撃側に大きなコストを負わせることができるとの見方も示した。

ルミス議員はX(旧Twitter)への投稿で、パパロ提督の判断を高く評価した。提督の先見性と、ビットコインの国家安全保障上の活用に言及した点を称賛した上で、デジタル資産が世界のパワーインフラに組み込まれつつあると指摘。その主導権を米国に取り戻すべきだと主張し、「Clarity Actを成立させ、米国の未来を守らなければならない」と強調した。

同議員は、法案審議の期限を巡っても危機感を示している。上院銀行委員会が25日までに法案審議を前進させられなければ、少なくとも2030年まで立法の勢いが失われかねないと、かねて警鐘を鳴らしていた。「2030年までにClarity Actを成立させる最後の機会だ」とした上で、「米国の金融の未来を手放すわけにはいかない」と訴えた。

Clarity Actは、米国のデジタル資産市場の枠組みを整備する法案で、関連産業の国内回帰を促す制度基盤としても位置付けられている。スコット・ベッセント米財務長官も同法案を国家安全保障上の優先課題と位置付けている。米議会はここ数年、将来の金融インフラの基盤を国内に置くための制度設計を模索してきたとして、上院銀行委員会は法案審査に着手すべきだとの声が強まっている。

業界団体の働きかけも活発化している。Blockchain AssociationとCrypto Innovation Councilを含む120超の団体は、上院銀行委員会に市場構造法案の審議開始を要請した。Blockchain Associationは、超党派での取り組みを経て議会は重要な局面に入ったと指摘。消費者保護と予見可能性を両立し、デジタル資産分野における米国の競争力を高めるためには、明確で持続可能なルールが必要だと訴えた。

こうした動きを受け、ビットコインは米国の安全保障政策とデジタル資産規制の議論が交差するテーマとして存在感を強めている。議会が25日までにClarity Actの審議を加速させるか、またビットコインの作業証明の仕組みが軍のネットワーク防衛でどのように位置付けられるかが、今後の焦点となる。

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