写真=Cisco

Ciscoは、異なるベンダーや方式の量子コンピュータを接続する試作機「Cisco Universal Quantum Switch」を公開した。量子状態を維持したまま量子情報のエンコーディング方式を変換し、複数の量子システムを連携させることで、量子コンピューティングの拡張性向上につなげる狙いだ。

SiliconANGLEが23日(現地時間)に報じた。Ciscoはこの装置について、複数の量子システムを1つの統合環境のように接続できる研究用プロトタイプと位置付けている。現時点では商用製品ではない。

同社は、より大規模な量子コンピュータの構築と、複数の量子コンピュータをネットワークで束ねることが、実用的な量子時代を切り開く二本柱になるとみている。

Ciscoによると、現在の量子コンピュータのキュービット数は数百〜数千規模にとどまる。今後数年で数万規模への拡大が見込まれるものの、実用的な性能を実現するには、さらに大きな規模が必要になるという。

Universal Quantum Switchの中核は、異なる量子情報のエンコーディング方式を相互変換する機能にある。装置は常温で動作し、通信用光ファイバーに対応。入出力時に量子技術ごとに異なるエンコーディング方式を変換できるため、異なる企業の量子コンピュータ間でも同装置を介した通信が可能になるとしている。

現行仕様では、データセンター外で最大100kmの接続を想定する。Ciscoは、商用化に向けては変換技術と量子状態の保持に関わる中核技術について、なお追加検証が必要だと説明した。

同社は今後、量子ネットワーク向けのハードウェア、ソフトウェア、プロトコルを含む基盤整備を進める方針で、IBMやAtom Computingとの協業も継続する計画だ。Cisco Outshiftの上級副社長兼責任者を務めるビジョイ・パンディ氏は、量子システム同士の接続こそが真のスケーラビリティを実現する鍵だとした上で、今回の成果は重要な前進ではあるものの、まだ出発点にすぎないと述べた。

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