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NVIDIAのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は22日(現地時間)、AIが熟練職の雇用を一律に奪うわけではないとの考えを示した。Adobeの年次イベント「Adobe Summit 2026」で、放射線科医を例に挙げ、「業務」と「職業の目的」は分けて考えるべきだと述べた。米TechRadarが報じた。

フアン氏によれば、医療画像の読影分野でAI活用が広がり始めた約10年前には、AIが画像分析で人間を上回る性能を示し、放射線科医の仕事を代替するのではないかとの懸念が医療界内外で強まった。

ただ、実際には逆の結果になったという。放射線科医は以前より多くの患者を診るようになり、AI導入前に比べて現場の人員も増えたと説明した。

同氏は、AIは個々の業務を代替できても、職業そのものの目的まで置き換えるとは限らないと指摘した。業務の一部が自動化されれば、その分だけ働き手は本来果たすべき役割に集中しやすくなるとの見方を示した。

放射線科医のケースでは、画像読影の相当部分が自動化された一方で、臨床医や患者と連携しながら疾患を診断・管理する役割は引き続き人が担っているという。診断のスピードと精度が向上し、コストも下がったことで検査件数が増え、結果として職種全体の需要拡大につながったとした。

そのうえでフアン氏は、すべての職種が同じ経路をたどるわけではないとも述べた。AIの影響は、その職種の本来の目的に対する需要が拡大するかどうか、また人の判断が中核として残るかどうかに左右されると説明した。

一方で、反復的で定型的な事務業務が中心の職種については、引き続きAIによる代替リスクにさらされる可能性があることも認めた。

フアン氏の発言は、AIを全面的な代替手段としてではなく、仕事を制約してきた要因を減らす技術として捉える立場を示したものだ。少なくとも医療現場のように人の判断や協業が不可欠な領域では、AI導入が生産性向上と需要拡大の両方につながる可能性があるとの認識を示した。

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