General Motors(GM)は、大型EVピックアップとSUVの次期モデル計画を無期限で凍結した。EV事業の低迷で巨額費用を計上したうえ、米国の税額控除終了後に販売が落ち込んでおり、足元ではガソリンピックアップの増産を急いでいる。
電気自動車メディアのElectrekは22日(現地時間)、Chevrolet Silverado EV、GMC Sierra EV、Hummer EV、Cadillac Escalade IQについて、現行世代に続く次期モデル計画の先行きが不透明になったと報じた。
今回の判断は、GMが2028年を目標に準備してきた大型EVラインアップの刷新計画を取り下げたことによるものだ。GMは一部車種に低価格帯の派生モデルを追加し、販売拡大を狙っていたが、計画は当面見送られることになった。
GMは問い合わせに対し、次期バッテリーEVピックアップの計画や投入時期は公表していないと説明した。憶測についてはコメントしないとも述べている。
背景にはEV事業の不振がある。GMは2025年、EV関連で76億ドルの費用を計上した。このうち60億ドルは、EV生産計画の撤回やバッテリー供給契約の見直しに伴う減損損失だった。
さらに、2025年9月30日に7500ドルの連邦税額控除が廃止された後、同年第4四半期のEV販売は前年同期比43%減の2万5219台に落ち込んだ。
主力車種の販売も伸び悩んだ。2026年第1四半期の販売台数は、Silverado EVが約1400台、Sierra EVが約1300台、Hummer EVが約1600台、Escalade IQが約2000台にとどまった。
一方、ガソリンピックアップの需要対応は加速している。GMはフリント組立工場で週6日操業を導入し、SilveradoとSierraのヘビーデューティーピックアップの生産を増やしている。
デトロイト・ハムトラムクのEV専用工場「Factory Zero」では、稼働の不安定さも目立つ。GMは同工場に22億ドルを投じたが、直近3カ月で2度目の操業停止に踏み切り、従業員1300人を解雇した。
これに先立つ2025年10月には、2交代制を1交代制に縮小し、1200人を恒久的に削減していた。EVシフトの中核拠点として設計された工場が、高価格帯で販売台数の限られる車種中心の生産にとどまり、収益性と稼働率の両面で課題を抱えていることが浮き彫りになった。
電動ピックアップ市場でも再編が進む。Fordは2025年12月にF-150 Lightningの生産を止め、レンジエクステンダー型ハイブリッド戦略に軸足を移した。
F-150 Lightningは2025年にTesla Cybertruckを上回る販売を記録したが、Fordは十分な収益性を確保できないと判断したという。
GMの今回の決定は、短期的な収益性と生産効率を優先した見直しといえる。ただ、大型EVピックアップとSUVの次期戦略は一段と見通しにくくなった。
GMが次期電動ピックアップの計画や時期を明らかにしていない以上、今後の焦点は現行モデルの販売回復が進むかどうか、そしてガソリンピックアップ増産の流れがいつまで続くかに移る。