Binance.USのイメージ写真=Shutterstock

Binance.USは全現物取引ペアの手数料を引き下げ、メイカー0%、テイカー0.02%の新料金を即日適用した。出来高に応じて変動していた従来の料金体系は廃止し、全ユーザーに一律で適用する。米暗号資産市場では、手数料を軸にした競争が一段と激しくなりそうだ。

Cointelegraphによると、今回の改定により、これまで一部のビットコイン取引ペアに限っていた実質無料の仕組みを、現物市場全体へ広げた。Binance.USは、新体系によって競合他社と比べて最大98%の手数料圧縮効果があるとしている。

競合の通常手数料はなお高い水準にある。Coinbaseは低出来高帯のユーザーでおおむね0.4〜0.6%から始まり、Krakenも0.25〜0.4%程度のレンジで、出来高に応じて手数料が低下する体系を採用している。

Binance.USは今回の施策を、経営体制見直し後に進めてきた戦略転換の一環と位置付ける。スティーブン・グレゴリー最高経営責任者(CEO)就任後、手数料体系を全面的に再編し、取引インフラの整備を通じて低コスト運営の基盤を整えたと説明した。あわせて、システムと内部統制に関するSOC 2タイプII監査を完了したことも明らかにした。

米国では競争環境も変化している。大手証券会社のCharles Schwabは、個人向けにビットコインとイーサリアムの現物取引サービスを数週間以内に始める計画を示し、1取引当たり約75bpの手数料水準を提示した。伝統的な金融機関の参入で、米市場の手数料競争はさらに激しさを増す可能性がある。

一方、Binanceの米国事業は、手数料競争とは別に規制リスクも抱える。親会社のBinanceは2023年、マネーロンダリング防止と制裁違反を巡って米当局と43億ドル(約6450億円)規模で和解した。当時のチャンポン・ジャオ前CEOも関連容疑で有罪を認めている。以後、同社は裁判所の監督の下、継続的な報告義務を負っている。

政治面での圧力も続く。米上院議員らは今年初め、Binanceのコンプライアンス体制全般の再点検を求め、一部取引が制裁対象と関係していた可能性も指摘した。これに対し同社は報道内容を否定し、法的対応に乗り出したという。

Binanceはこの間、自社アプリに予測市場機能を組み込むなど、サービス拡大も並行して進めている。BNB Smart Chainを基盤とするガスレス取引の仕組みを導入し、利便性の向上も図った。今回の全面的な手数料引き下げが、Binance.USの米国における現物取引シェア拡大につながるかが焦点となる。

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