ビットコイン(写真=Shutterstock)

ビットコインは22日、7万8000ドルを上回り、数週間続いた6万5000〜7万5000ドルのレンジを上抜けた。取引所残高の減少を背景に需給の引き締まりが意識される一方、相場の先行きは原油価格と金利見通しに左右されるとの見方も出ている。

ブロックチェーンメディアのCoinDeskによると、ドナルド・トランプ米大統領がイランとの停戦延長を表明したことを受け、リスク資産選好が持ち直した。株価指数先物も上昇したという。

今回の上昇は、ビットコインが数週間にわたって推移してきた6万5000〜7万5000ドルのレンジを抜けた点で注目される。相場の上昇確認後に追随するモメンタム系の投資家にとっては、地合いの変化を示すシグナルになり得るためだ。

ブレイクアウトをきっかけに買いがさらに入り、上昇に弾みがつく可能性も指摘されている。市場分析会社Marexは、6万5000〜7万5000ドルのレンジが数カ月続いた後の上抜けは、市場参加者の行動変化につながりやすいと分析した。

同社は、ビットコインが7万4000ドル近辺まで上昇するたびに売りを出していた投資家が、戦略の見直しを迫られていると説明。確認シグナルを待っていたモメンタム買いにも、参入を後押しする材料が整いつつあるとの見方を示した。

オンチェーン指標も強気の地合いを示している。CryptoQuantの集計では、中央集権型取引所に関連するウォレットで保管されるビットコインは267万BTCまで減少し、数年ぶりの低水準となった。

市場では、投資家による保有積み増しが続いている兆候と受け止められている。取引所に置かれた売却可能なビットコインが減れば、需給逼迫、いわゆる供給ショックが起きやすくなるためだ。

デルタ・エクスチェンジの分析担当者もX(旧Twitter)への投稿で、取引所内のビットコイン供給が減り続ける一方、より多くのビットコインが長期保有者に移っていると指摘した。

流動性が引き締まり、ビットコインの希少性が高まっているとも述べており、供給減少は価格変動の拡大につながる可能性があるとしている。

もっとも、市場が全面的に強気へ傾いているわけではない。QCP Capitalは、Deribitでビットコインのプットオプション価格がなお相対的に高い点を挙げ、慎重な見方を崩していない。

プットオプションは、原資産価格の下落に備えるためのヘッジ手段。QCP Capitalは、足元の暗号資産相場が原油価格と金利見通しに左右されているとしたうえで、原油が下落するか、米連邦準備制度理事会(FRB)のシグナルがより明確になって初めて、リスク資産に追い風の環境が整うとみている。

こうした条件がそろわなければ、市場は上昇余地よりも不透明感を意識しやすいと付け加えた。

実際、伝統的な金融市場では、米WTI先物が1バレル当たり90ドル前後で取引された。18日の安値78ドルから持ち直した水準だ。

こうした動きは、暗号資産市場が地政学リスクとマクロ政策の両方に敏感に反応していることを映している。

テクニカル面でも注目が集まっている。ビットコインは日足ベースで100日移動平均線を上回る水準を維持した。

この100日移動平均線は、1月の反発局面では上値抵抗線として機能し、その後は売りが優勢となって価格が6万ドル近辺まで押し下げられた経緯がある。

今回はこの水準を上抜けたことで、上昇モメンタムが一段と強まるかが次の焦点となる。市場の視線は、足元で8万5900ドル近辺にある200日移動平均線へ向かっている。

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