EthereumのシンクタンクEtherealizeは、暗号資産Ethereum(ETH)の長期価格見通しを25万ドル(約3750万円)と示した。昨年公表した74万ドルからは下方修正となるが、足元の約2300ドルと比べれば大幅な上昇を見込む内容だ。The Blockが21日(現地時間)に報じた。
Etherealizeは、Ethereumを「通貨の歴史の中でも特異な性質を持つ資産」と位置付ける。共同創業者のビベク・ラマン氏は、Ethereumが将来的にグローバル金融システムの基盤になり得るとしたうえで、デジタル資産のうち価値保存手段として定着するのは1〜2種類に絞られる可能性があるとの見方を示した。
そのうえで同氏は、Bitcoin(BTC)がすでにその地位を先行して確立しているとすれば、Ethereumはもう一つの有力候補だと述べた。今回の見通しについて、達成時期は示していない。
Etherealizeは、Ethereumについて、金やBitcoinのような価値保存資産であると同時に、利回りを伴う資産でもあると主張する。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)による仕組みによってネットワークの安全性が維持され、その見返りとしてステーキング報酬が得られるためだという。
同社は、金とBitcoinの通貨プレミアムの合計が現在およそ31兆ドル(約4650兆円)に達すると試算。Ethereumがこれと同等のプレミアムを獲得した場合、流通量1億2100万ETHを前提とすると、価格は25万ドルを上回る可能性があるとしている。
また、Ethereumには分散型金融(DeFi)やステーブルコインを通じた実体経済の活動が存在すると指摘した。金やBitcoinのような純粋な通貨資産と異なり、基盤となる経済活動があるため、通貨プレミアムの織り込みが遅れた場合でも、値下がり圧力を一定程度和らげられるとの見方だ。
マイク・マクギニス氏は、Ethereumのステーキング利回りは年2〜4%と高水準ではないものの、比較的安定したリターンを得る手段になり得ると説明した。
一方で同氏は、Bitcoinの構造に対する懸念も示した。金とBitcoinはいずれも収益を生まない資産だとしたうえで、Bitcoinは発行上限の2100万枚がすべて採掘された後、取引手数料がブロック報酬の減少分を十分に補えなければ、ネットワークの安全性を支えるインセンティブが弱まる可能性があると指摘した。
Etherealizeはさらに、Ethereumがすでにトークン化資産、ステーブルコイン、DeFiにおける主要な決済レイヤーになっていると評価した。取引手数料の一部がバーンされることで供給増加率が年1.5%に抑えられることに加え、利用が拡大すればデフレ的な構造になり得る点も根拠に挙げた。
もっとも、直近1年ではCanton、Tempo、Solanaなど競合の存在感が増していることも認めている。ラマン氏は、こうした代替レイヤー1は実際にはEthereumのレイヤー2と競合する性格が強く、ETH自体と直接競合する資産ではないとの認識を示した。