Teslaが米アリゾナ州チャンドラーとメサで、ロボタクシー向けの専用Supercharger新設に向けた許認可を申請した。一般利用者には開放しない計画で、実現すれば同社初のロボタクシー専用フリート充電ハブとなる。
米EVメディアのElectrekが21日(現地時間)に報じた。申請資料によると、Teslaは一般向けではないV4 Superchargerの設置を計画している。チャンドラーでは、サウス・ルーズベルト・アベニュー近くの工業用地にV4を56基設置する内容で、メサでは「5349 E Main Street」の敷地について別件の申請が受理された。2件はいずれも先週、同時に提出されたという。
今回の計画の特徴は、施設を一般開放しない点にある。世界で約7000カ所に展開する一般向けのSuperchargerとは異なり、両施設はTeslaのロボタクシー運用に特化した拠点となる見通しだ。計画通りに整備されれば、同社にとって初のフリート充電ハブとなる。
立地面でも注目される。チャンドラー、メサ、テンピは、フェニックス東部のイーストバレー地域に位置し、Waymoが2018年に自動運転配車サービスを立ち上げ、その後事業を拡大してきたエリアだ。Waymoは現在、米10都市で約3000台のロボタクシーを運用し、週50万件前後の有料乗車をこなしている。メサには、MagnaがJaguar I-PACEを改造するWaymoの生産拠点もある。
Teslaがロボタクシー向けの専用充電インフラ整備を打ち出すのは、今回が2例目でもある。同社は2月、サンフランシスコの「825 Sansome Street」で、150台超を収容できる600アンペア対応の充電拠点を計画していたが、計画委員会の審議当日に申請を取り下げた。この際には、Teamsters労組の反対があったとされる。
今回申請した設備は、現在ロボタクシーに使われているModel Y向けとみられる。Model Yは一般的なプラグイン方式で充電する。一方、2月に初期生産が始まったCybercabは無線誘導充電を採用しており、別の充電インフラが必要になる。
専用拠点が整備されれば、Teslaはフリート車両の充電に加え、洗車や整備も1カ所に集約できる。ただ、現時点では許認可の申請段階にあり、実際の完成や運用開始までにはなお時間を要する可能性がある。
一方でTeslaは最近、ダラスとヒューストンでロボタクシーサービスの提供を始め、オースティン以外への展開を初めて進めた。ただ、ヒューストンではサービスエリアが約25平方マイルにとどまっており、テキサス州内3都市で同時に走行している車両数も限られる。なお多くの車両には安全モニターが同乗しており、オースティンでも完全無監視で走行する車両は10台未満にとどまるという。