OCBC(写真=Shutterstock)

シンガポールの銀行OCBCは、EthereumとSolanaに対応した金のトークン化ファンド「GOLDX」を投入した。機関投資家向けの商品で、ステーブルコインと法定通貨の双方で売買できる。

Cointelegraphが21日に報じたところによると、OCBCは資産運用子会社のLion Global Investors、デジタル資産取引所のDigiFTと連携し、GOLDXを立ち上げた。

対象は機関投資家のほか、ヘッジファンドや資産運用会社。投資家はステーブルコインまたは法定通貨でGOLDXを売買でき、申込手続きの完了後、トークンは投資家のブロックチェーンウォレットに直接送られる。

OCBCによると、同ファンドは2025年12月に提供を開始した。4月16日時点の運用資産は約5億2500万ドル(約788億円)だった。

今回の事例は、既存の金ファンドをパブリックブロックチェーン上で流通可能にした取り組みとして、伝統的な金融商品の流通手法の変化を映すものといえる。

OCBCのケネス・ライ氏は今回の取り組みについて、「新たな企業戦略の一環であり、ブロックチェーンを軸とするアプローチの節目だ」と位置付けた。

同氏は、金融サービス分野でデジタル資産の重要性が高まっているとしたうえで、OCBCの重点分野は伝統金融と分散型金融(DeFi)をつなぐことにあると説明した。

OCBCは、Web3エコシステムの参加者や、ブロックチェーン・暗号資産分野で活動する富裕層の取り込みも狙う。金価格へのエクスポージャーを提供するだけでなく、既存の金融顧客とデジタル資産市場の参加者の双方を視野に入れた設計としている。

こうした動きの背景には、トークン化商品を通じて銀行の資産とパブリックブロックチェーンの流動性を組み合わせる流れの広がりがある。

市場環境も追い風だ。rwa.xyzによると、パブリックブロックチェーン上でトークン化された実物資産連動型資産(RWA)の規模は、2026年に入って290億ドル(約4350億円)を超えた。

直近30日間の増加率も10%を上回った。債券やファンド、金などへ対象資産が広がるなか、金融機関も発行チャネルの拡大と投資家基盤の確保を急いでいる。

OCBCは2023年にも、適格投資家向けにトークン化した株価連動証券を提供している。今回のGOLDX投入も、その流れに位置付けられる。

2025年12月時点のOCBCの総資産は約5260億ドル(約7兆8900億円)。金ファンドをEthereumとSolanaの両チェーンで展開したことは、ブロックチェーン基盤の実証にとどまらず、投資商品の流通へと取り組みを広げている兆候とみられる。

今後の焦点は、こうした需要が機関投資家を中心に定着するかどうかにある。ステーブルコインと法定通貨を併用する設計が、伝統的な金融機関のデジタル資産商品にどのような影響を与えるかも注目される。

OCBCは、デジタル資産の役割拡大を見据え、伝統金融とDeFiを結ぶ取り組みを強化する方針を示している。

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