Xが、外部のソーシャルメディア管理ツール経由で行うリンク付き投稿の料金を大幅に引き上げた。あわせて、フォローや「いいね」、引用投稿に関するAPIサポートも停止しており、パブリッシャーやコンテンツ運用事業者への影響が広がっている。
IT系メディアのThe Vergeが21日(現地時間)に報じたところによると、XはAPI経由で投稿するサードパーティーサービス向けのリンク付き投稿料金を、1件当たり0.01ドルから0.20ドルへ引き上げた。従来の20倍に当たり、引き上げ率は約1900%とした。
機能面でも制限を強めた。XはAPI経由のフォロー、「いいね」、引用投稿のサポートを打ち切った。単なる料金改定にとどまらず、外部ツールで利用できる機能を絞り込む動きとみられる。
今回の措置は、自動化ツールを使ってリンク付き投稿を大量配信してきたニュース集約サービスやメディア企業、ソーシャル運用プラットフォームに直撃する。とりわけ、リンク投稿を高頻度で繰り返すアカウントほど、コスト負担は重くなる見通しだ。
業界では、今回の値上げがパブリッシャーのX離れをさらに促しかねないとの懸念も出ている。Xではこれまでも、外部リンクを含む投稿は表示上不利になるとの指摘がたびたび上がっていた。近年のメディア研究でも、リンク中心の投稿はニュースパブリッシャーの露出に悪影響を及ぼし得るとの分析が示されている。
影響はすでに表れている。テクノロジー系ニュース集約サービスのTechmemeは、従来の「見出し+リンク」形式の投稿をやめ、リンクを付けない要約文のみを掲載したうえで、自社サイトへの流入を促す方式へ切り替えた。Techmemeは、今回の値上げが主因だと説明している。
一方、X側はリンク自体が露出を制限しているとの見方を否定している。プロダクト統括のニキタ・ビアー氏は、「リンクへのエンゲージメントを下げるコードはない」と述べたうえで、問題は見出しとリンクだけを繰り返す低品質な投稿にあると説明した。アルゴリズムはユーザーの反応を基に動作しており、見出しとリンクだけでは反応を得にくいとの考えを示した。
ビアー氏はまた、今回の値上げは検索スパム攻撃を減らすためだと説明した。一部の事例については、API料金の上昇分を個人的に負担する意向も示した。
これに対し、Techmeme創業者のゲイブ・リベラ氏は、今回の措置で長期的にスパム問題を解決できるかには懐疑的な見方を示した。Techmemeは利用者に対し、WebサイトやRSS、ニュースレターなど代替チャネルの利用を案内する一方、他のプラットフォームでは従来通りリンク付き投稿を続けているという。
今回の措置により、Xにおけるリンク流通のあり方を巡る対立が改めて浮き彫りになった。Xはスパム抑制を前面に出すが、パブリッシャー側ではコスト増と露出低下への懸念が同時に強まっている。外部ツールに依存してきたアカウントは、投稿戦略の見直しを迫られそうだ。