Coinbaseが、米議会で審議が進むステーブルコイン報酬規制を巡り、けん制を強めている。Coinbaseのポール・グレウォル最高法務責任者(CLO)は、CLARITY法を支持するのであれば、ステーブルコイン報酬の禁止案にも反対すべきだと主張した。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが21日に報じた。グレウォル氏はX(旧Twitter)への投稿で、「CLARITY法に賛成しながら、報酬禁止に反対することはできない。どちらか一方だ。選ぶべき時だ」と述べ、議員に二者択一を迫った。
この発言は、上院でステーブルコインの収益構造を巡る協議が大詰めを迎える中で出たものだ。
焦点となっているのは、上院で示された折衷案だ。トム・ティリス氏とアンジェラ・オルスブルックス氏がまとめた草案は、ステーブルコインの保有残高に応じた受動的な報酬を禁止する一方、決済や送金、プラットフォーム利用などに連動する限定的な報酬のみを認める内容となっている。
これに対し、銀行業界団体はさらに厳しい規制を求めている。遊休資金に報酬が付く仕組みを認めれば、既存の銀行預金が流出しかねないとの懸念が背景にある。
一方、Coinbaseはこうした主張に一貫して反論してきた。グレウォル氏は、預金流出への懸念はデータで裏付けられていない、理論先行の議論にすぎないと批判した。
ホワイトハウス経済諮問委員会の最近の報告書も、これに沿う試算を示している。報告書では、ステーブルコイン報酬を禁止しても、銀行貸出の増加効果は0.02%にとどまると見込んだ。
この論争はCoinbaseの収益にも直結する。Bloomberg Intelligenceによると、ステーブルコイン関連収益はCoinbaseの2025年売上高の約19%を占めた。
最終法案の文言次第では、Coinbaseだけでなく、主要な競合取引所の収益構造にも影響が及ぶ可能性がある。
立法日程も逼迫している。シンシア・ルミス上院議員は、法案を中間選挙前に処理できなければ、成立が2030年までずれ込む可能性があると警告した。
上院銀行委員会は同法案を4月20日の議事日程から外しており、審議の遅れに対する懸念が一段と強まっている。
こうした状況下でのグレウォル氏の発言は、慎重姿勢の議員への政治的圧力を強めるメッセージと受け止められている。現行の折衷案は、銀行側が求める厳しい制限と、暗号資産業界が最低限必要とみる利用連動型報酬との間で接点を探る内容だ。
暗号資産業界は、この利用連動型報酬すら後退させるべきではないとの立場を示している。
今後の焦点は、上院委員会の審査過程で、この最低限の枠組みが維持されるかどうかだ。利用連動型報酬が残るかどうかは、CLARITY法が2026年に上院を通過できるかを占う材料になりそうだ。