ビットコインが7万8000ドル台まで反発し、市場では下落局面を脱して上昇局面に入りつつあるとの見方が出ている。ただ、8万4000ドル近辺には大きな売り圧力が控えており、短期的には上値の重い展開も想定される。
21日、Cointelegraphによると、今回の反発は単なる短期のテクニカルな戻りではなく、今サイクルの本格上昇局面の入り口となる可能性があるとして注目を集めている。
ビットコインは2月6日に付けた6万ドル割れの安値から26%超上昇し、7万5000ドル前後まで回復する場面があった。この過程で、投資家の損益状況を示すSOPRは2月初旬の0.62から2.87まで上昇し、8カ月ぶりの高水準を付けた。
オンチェーン分析企業CryptoQuantのアナリスト、CW8900はX(旧Twitter)への投稿で、「ビットコインのSOPR比率はすでに底値圏を抜けて上昇している」と指摘した。SOPRは、保有者の売却時点で利益が出ているか損失が出ているかを測る指標で、底値圏からの反発は短期的な底入れのサインと受け止められやすい。
もう一つの主要指標であるNUPLも、1月初旬以来初めてプラス圏に浮上した。NUPLは市場参加者の未実現利益と未実現損失の差を示す指標だ。CW8900は「ビットコインの下落トレンドは終わり、今サイクルの本格ラリーが始まった」と評価した。過去の強気相場でも、NUPLが長期間マイナス圏にとどまった後、プラスに転じて上昇が続いたケースがあったという。
一方で、短期的な戻り余地には限界があるとの見方もある。ビットコインの取得原価分布データでは、平均8万4000ドル付近に約110万BTCのコスト帯が形成されている。この価格帯は、既存保有者が損益分岐点で売却に動きやすく、相場の上値抵抗として意識されやすい。
目先の抵抗線としては7万8000ドル付近が挙げられる。市場の平均取得コストがこの水準に集中しているためだ。さらに上では、米ビットコイン現物ETFの平均取得単価である8万3100ドルが次の節目とされる。アナリストのアルファBTCは、BTC/USDが2月初旬に開いたシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のギャップを埋める動きとして、8万4000ドルまで上昇する可能性があるとみている。
市場では当面、7万6000〜7万8000ドルの抵抗帯を終値ベースで上抜けられるかが焦点となる。ここを明確に突破すれば、買い手優勢を確認するシグナルとなり、次のターゲットとして8万4000ドルが意識されやすい。半面、同水準ではETFの平均取得単価と大口保有者の取得原価帯が重なっており、利益確定売りが出やすい地合いも残る。
今回の分析は、価格反発そのものに加え、オンチェーンの収益性指標と取得原価分布をあわせて評価している点が特徴だ。上昇転換を示すシグナルと強い売り圧力が見込まれる価格帯が同時に示され、ビットコインの短期的な重要水準がより鮮明になっている。