米小型株指数のラッセル2000が史上最高値を更新した。ただ、これをそのままアルトコイン相場の先行シグナルとみなすには無理があるとの見方が浮上している。ラッセル2000とアルトコインの相関が2016年7月以来初めてマイナスに転じ、これまで市場で意識されてきた「アルトシーズン」のシナリオに揺らぎが生じているためだ。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが21日(現地時間)に伝えたところによると、ラッセル2000とアルトコインの相関は足元で逆相関に転じた。市場ではこれまで、小型株高はリスク選好の強まりを映し、暗号資産市場ではアルトコイン物色につながるとの見方が根強かったが、その前提が崩れつつある。
ラッセル2000は、米小型株約2000銘柄で構成される指数で、伝統的金融市場では投資家のリスク選好を測る指標の一つとされる。大型テクノロジー株よりも値動きの大きい資産に資金が向かう局面で上昇しやすく、4月に入ってからは11.8%上昇し、21日に史上最高値を付けた。
こうした動きを受け、市場の一部では暗号資産市場でもリスク資産への選好が強まる兆しと受け止める声が出ていた。アナリストのブル・シアリー氏は「大型テクノロジー株が弱い日に小型株が強いのは、市場が恐怖に傾いているのではなく、資金の置き場を変えていることを意味する」と指摘。投資家は内需回復の恩恵を受けやすい企業に資金を移していると説明した。アナリストのアッシュ・クリプト氏も、ラッセル2000の上抜けが過去にアルトコイン相場の上昇に先行したケースがあったとして、強気見通しを支えた。
FRBの流動性拡大の兆しも、アルトコイン相場への期待を支える材料として挙がっている。アナリストのマーク氏は、過去のアルトシーズンを支えた主因の一つとしてFRBのバランスシートを挙げ、今回はそれが数年ぶりに急拡大しているとした。今週予定される流動性供給にも触れ、量的引き締めは終盤に入り、バランスシートは再び拡大局面に入ったと分析。リスク資産に資金が向かいやすい環境が戻りつつあるとして、「アルトシーズンは中止ではなく、遅れているだけだ」との見方を示した。
一方で、トレーダーが重視してきた相関関係そのものが崩れているとの指摘もある。トニー・セベリノ氏は、ラッセル2000とアルトコインの相関係数がマイナス圏に入り、逆相関が強まっていると明らかにした。両者の相関がマイナスに転じるのは2016年7月以来という。今後持ち直す可能性はあるものの、現時点では低下傾向が急速に進んでいると付け加えた。
この変化は、過去のパターンの有効性を弱める可能性がある。従来はラッセル2000の上昇が、リスクマネーのアルトコイン市場流入の前触れと解釈されてきた。だが、正の相関が崩れて逆相関に転じた以上、これまでと同じブレークアウトの形だけで同様の展開を期待するのは難しい。マクロ環境が変われば、歴史的な相関の予測力も限定されるとの見方が出ている。
テクニカル面でも、強気一辺倒にはなりにくい。ジャック・ハンフリーズ氏は、アルトコイン時価総額のチャートが下方ブレーク後の戻りを試す「弱気の再テスト」局面にあると分析した。ビットコインがいったん落ち着けばアルトシーズンを語りやすくなる一方、足元のチャートは別のシグナルを示しているという。出来高を伴って重要水準を回復するまでは、今回の反発は一時的な戻りにとどまる可能性があると警戒感を示した。
市場の焦点は、ラッセル2000とアルトコインの逆相関が再び解消に向かうのか、それともアルト市場を巡る資金フローの構造変化を示すのかに移っている。こうした流れが整理されるまでは、「遅れて到来するアルトシーズン」が2026年半ばまで有効なシナリオとして維持されるかどうかを見極める局面が続きそうだ。