写真=Ripple

米大手航空会社American Airlinesは、Rippleの法人向け財務ソリューション「Ripple Treasury」の導入により、財務運用効率が当初の想定を上回って改善したと明らかにした。現金可視性は約65%から99%に高まり、会計業務の自動化率も約50%から90%へ上昇したという。

ブロックチェーン関連メディアThe Crypto Basicが21日(現地時間)に報じたところによると、同社は分散していた財務管理業務を単一プラットフォームに集約したことで、可視性と自動化の水準が大きく向上したとしている。これにより、財務部門の担当者は定型業務ではなく、優先度の高い業務により多くの時間を振り向けられるようになった。

こうした評価は、American Airlinesでグローバル・バンキング&トレジャリー・サービスを統括するライアン・ミラード氏の説明として伝えられた。ミラード氏は、Ripple Treasuryの導入によって財務システム基盤を刷新できたとしたうえで、財務管理業務を単一システムに集約した効果は当初の想定を上回ったと述べた。

Ripple Treasuryは、もともとGTreasuryとして提供されていた法人向け財務プラットフォームだ。Rippleは2025年10月、同社を10億ドル(約1500億円)で買収し、法人財務分野へ事業領域を広げた。American Airlinesは買収前から同プラットフォームを利用しており、買収後も継続導入しながら活用範囲を拡大してきた。

American Airlinesは60カ国超、350以上の都市・地域に就航している。航空機の運航や整備パートナーとの連携、契約体系、資産管理などが複雑で、財務管理の負荷も大きかった。従来は柔軟性に乏しいソフトウェア、スプレッドシート、分断された銀行ポータルを併用していたため、定型業務が多く、統制や拡張性にも課題があった。中核人材への依存に加え、監査対応の負担、為替エクスポージャー、現金および資本ポジションの把握にも限界があったという。

こうした状況を受け、同社はRipple Treasuryを基盤に、航空機関連の契約や資産、運航情報を一元管理する体制を構築した。分散していたシステムを置き換え、リアルタイムでの可視化を実現。あわせて、資金管理と予測、銀行口座管理、債務管理、信用状の管理、短期投資、為替リスク管理の機能も追加した。

導入効果として、グローバルでの現金可視性は約65%から99%に向上した。自動化された会計業務の比率も約50%から90%に拡大し、財務チームの業務時間は最大20%削減された。これにより、人員をより高度な業務に振り向ける余地が生まれたとしている。

American Airlinesは昨年5月、財務・リスク分野の専門誌が主催する第29回アレクサンダー・ハミルトン・アワードで、技術優秀性部門の最終候補に選出された。財務運用の高度化に向けた取り組みが注目を集めた。

一方、Ripple Treasuryは世界約1万3000の銀行と接続しており、Goldman SachsのMosaicシステムとも連携する。JPMorganとはAPIを通じてリアルタイムの現金追跡機能を提供している。American Airlinesの事例は、Rippleが暗号資産の決済・送金にとどまらず、法人向け財務インフラの領域でも顧客基盤を広げていることを示した格好だ。

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