画像=DESI共同研究チーム。銀河とクエーサーの大規模観測データを基に作成した宇宙3次元地図。

国際共同研究チームは、銀河とクエーサー4700万個超の観測データを基に、これまでで最大規模となる高解像度の宇宙3次元地図を作成した。5年にわたる観測で得たデータを使い、宇宙膨張の歴史や暗黒エネルギーの性質解明につなげる。

米ITメディアのTechRadarが21日(現地時間)に伝えた。観測はDark Energy Spectroscopic Instrument(DESI)を中心に進められた。DESIは、宇宙の膨張を加速させる要因とされる暗黒エネルギーの解明を目的とする観測プロジェクトだ。

研究チームは当初目標の3400万個を上回り、4700万個以上の銀河とクエーサーを観測した。あわせて、天の川銀河の構造研究に向けて近傍の恒星2000万個超のデータも収集した。

観測の中核を担ったのは、米アリゾナ州の望遠鏡に搭載された、光ファイバーの位置を調整する5000基のロボットだ。小型ロボットアームが約20分ごとに動き、遠方銀河から届く微弱な光を正確に捉えられるよう、光ファイバーを再配置する。

こうして集めた光は分光器に送られ、波長ごとに分解される。研究チームはその結果から各銀河までの距離を算出し、天空上の位置情報と組み合わせることで、宇宙空間における物質分布を立体的に示す3次元地図を構築した。DESIは、銀河を一度に数千個ずつ測定できるよう設計されている。

観測に使われたのは、キットピーク国立天文台の4メートル望遠鏡「ニコラス・U・メイヨール望遠鏡」だ。エンジニアは既存のカメラをDESIの光ファイバーシステムに置き換え、観測能力を大幅に高めた。

この装置により、距離や時代の異なる銀河群の分布を比較し、宇宙が過去にどの程度の速度で膨張してきたかを追跡できるようになった。研究チームは、こうした分布パターンを分析することで、暗黒エネルギーが数十億年にわたり宇宙の進化にどのような影響を与えてきたかを調べている。

先行する初期結果では、暗黒エネルギーが一定の力として保たれていない可能性が示唆された。一方で研究チームは、追加データによってこの結論が変わる可能性もあるとして、慎重な検証が必要だとみている。

今回の地図作成は、プロジェクトの終着点ではない。今後はさらに広い天空領域を観測し、より遠方の銀河まで捉える計画だ。すでに調査した領域も再観測し、データ密度の向上と測定精度の改善を進める。

こうした追加観測によって、初期データで示された「暗黒エネルギーが時間とともに変化する可能性」が、より大規模なデータセットでも再現されるかどうかを検証する。DESIは目標観測を終えた後も、宇宙膨張の歴史と暗黒エネルギーの性質をより精密に明らかにする作業を続ける方針だ。

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