米予測市場プラットフォームのKalshiが、暗号資産関連のデリバティブ市場への進出を検討していることが分かった。CoinDeskが4月21日(現地時間)、The Informationの報道として伝えた。まずはBitcoinなど暗号資産に連動する無期限先物の投入を視野に入れているという。
複数の関係者によると、Kalshiは暗号資産連動の無期限先物の提供案を精査している。無期限先物は満期のないデリバティブで、現物を保有せずに価格変動を対象とした取引ができ、必要証拠金を維持すれば建玉を継続できる仕組みだ。
Kalshiの動きは、予測市場を中核としてきた事業領域をデリバティブへ広げる試みとみられる。米国ではCoinbaseもデリバティブや予測市場商品の拡充を進めており、Kalshiが本格参入すれば、両社の競争はこれまで以上に直接的になりそうだ。
Coinbaseは米国内で無期限先物は提供していない。ただ、満期を長く設定した無期限先物型の契約を投入したことがあり、より複雑なデリバティブを米市場に持ち込むことにも関心を示してきた。
暗号資産取引所業界全体でも同様の動きが広がっている。主要取引所は、これまで海外に流れていた需要の取り込みを急いでおり、Kalshiの参入検討もその流れに重なるとの見方が出ている。
背景には、米国の規制環境の変化がある。Kalshiはすでに米商品先物取引委員会(CFTC)から複数のライセンスを取得しており、最近ではマージン取引の提供承認も得た。デリバティブ市場に踏み込むための制度面の土台が整いつつある。
関係者の1人は、Kalshiが暗号資産連動の無期限先物で参入した後、同様のモデルを他の資産クラスにも広げる可能性があるとみている。
ユーザーベースを巡る競争も鮮明になってきた。予測市場と暗号資産取引プラットフォームは、同じ利用者層を奪い合う構図に近づいている。CoinbaseやCrypto.com、Geminiなどの主要暗号資産取引所がすでに予測市場商品を投入しているのも、その表れといえる。
もっとも、暗号資産市場ではここ数カ月、市場下落の影響で取引量の鈍化が続いている。一方で予測市場は活動が急増しており、ユーザー参加と投資資金の流入が同時に進んでいる。関連プラットフォームの拡大ペースも速まっている。
こうした環境を受け、Kalshiのように予測市場を主力としてきた事業者も、取扱商品の拡大に動き始めた。予測市場と暗号資産取引の境界が薄れるなか、米デリバティブ市場では、ユーザー獲得と商品多様化を軸に競争が一段と激しくなる可能性がある。