ビットコイン市場は、政策や規制、中東情勢を巡る発言に短時間で反応した。写真=Shutterstock

ビットコイン(BTC)が、ドナルド・トランプ米大統領の発言やSNS投稿に短時間で反応する傾向を強めている。中東情勢や関税、暗号資産政策を巡る発言の直後に相場が急変する場面が相次ぎ、市場では政治メッセージそのものが新たな変動要因になっているとの見方が広がっている。

CoinDeskによると、20日(現地時間)時点でも、トランプ氏の発言を受けてビットコインや他のリスク資産が急騰・急落する展開が続いた。市場は従来のマクロ要因以上に、発言内容そのものへ即座に反応しているという。

直近では、ホルムズ海峡を巡る発言が相場を動かした。トランプ氏が18日、戦争終結と海峡の再開を示唆すると、ビットコインは約2カ月ぶりに7万8000ドルを突破した。

その後、合意内容への不透明感が強まり、イラン側から海峡再封鎖の可能性が示されると、価格は再び7万6000ドルを割り込んだ。

トランプ氏の発言でビットコインが大きく動いたのは今回が初めてではない。2019年7月には、同氏が暗号資産に否定的な見解を示した後、ビットコインは約45分で7.1%下落した。当時トランプ氏は、暗号資産は「お金ではなく、虚空に基づいている」と主張したとされる。

一方、政策転換を示す発言には買いが素早く入った。昨年3月、トランプ氏が米国の戦略的な暗号資産備蓄にビットコインを含む複数の暗号資産を組み入れる方針を確認すると、ビットコインは1日足らずで8.2%上昇。8万4000ドルから9万1000ドルを上回った。

関税政策を巡る発言も相場に強い衝撃を与えた。同年10月、トランプ氏が中国のレアアース輸出規制への対抗措置として、中国からの輸入品すべてに100%の関税を課すと表明すると、ビットコインは約2時間で12.4%急落した。

価格は当時の最高値だった12万4714ドル近辺から10万2000ドル前後まで下落し、24時間で193億8000万ドル相当の清算が発生した。

暗号資産政策に直結する発言でも、同様の値動きが確認された。3月には、トランプ氏がウォール街の銀行について、ステーブルコインの収益条項を問題視してGENIUS法案を損ない、CLARITY法案の審議を遅らせていると批判。発言直後、ビットコインは10分で5.2%上昇した。規制の方向性を巡る期待が、即座に相場へ織り込まれた格好だ。

中東情勢の緊張緩和を示唆する発言も、短期的な急騰を招いた。4月14日、トランプ氏がホルムズ海峡封鎖後、イランが和平協議の可能性を探っており、合意は「大いに可能だ」と述べると、ビットコインは30分で6.2%上昇。7万ドルから7万5000ドル近くまで上げた。

こうした急騰・急落は、単なる高ボラティリティにとどまらず、市場操作やインサイダー取引を巡る議論にも波及している。オックスフォード大学法学部の最近の研究は、米国の関税政策が急変した後、世界の金融市場が大きく揺れたと指摘した。

新たな関税措置の発表後には、暗号資産と株式がそろって下落し、数日後にトランプ氏が一部措置を撤回すると反発したという。研究者らは、こうした値動きの規模とタイミングが、事前情報を持つ一部投資家に有利な取引機会を与えかねないと指摘している。

政治の場でも、主要発言の前後に行われた取引の実態を調べる必要性が繰り返し指摘されてきた。アダム・シフ上院議員は2025年4月、トランプ氏がTruth Socialに「今は買い時だ」と投稿した後、関税調整の発表で市場が反発したとして、調査を求めた。

スティーブン・リンチ下院議員も、トランプ氏の重要発表に連動した取引活動について、国家安全保障上の機微情報を持つ政府関係者によるインサイダー取引や市場操作への深刻な懸念を生んだと述べた。

もっとも、現時点でトランプ氏や政権が法令違反や意図的な市場操作に関与したことを示す明確な証拠は確認されていない。それでも、政策決定と市場反応の時間差が極端に短くなり、政治メッセージがそのまま市場シグナルとして機能する構図への警戒感は強まっている。

市場では、中東情勢や米政府の追加発信次第で短期的な値動きが一段と荒くなる可能性が高いとの見方が強い。投資家にとっては、政策発言そのものが相場変動要因になっている点を見極める必要がある。

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