中東情勢とETF資金流入が今週の暗号資産相場の焦点。写真=Shutterstock

今週の暗号資産市場は、中東情勢の行方とビットコイン現物ETFへの資金流入が主な焦点になる。先週反発した相場が持ち直しを維持できるかどうかは、ビットコイン(BTC)が重要な節目とされる7万4000ドル(約1110万円)を守れるかにかかっている。

20日(現地時間)、CoinDeskによると、米国とイランの停戦期限が週半ばに迫るなか、市場ではビットコインが7万4000ドル近辺を維持できるかに関心が集まっている。

暗号資産市場はこれに先立ち、ホルムズ海峡の再開通を受けてリスク選好が戻り、反発した。原油安を背景に株式とビットコインがそろって上昇したためだ。ただ、その後は緊張が再び高まり、イランが通航船舶に発砲し、米国がイラン籍タンカーを拿捕したことで、地政学リスクへの警戒が再燃している。

市場参加者は、停戦期限通過後もリスク選好の流れが続くかを見極める構えだ。エネルギー供給不安が改めて意識されれば、原油、株式、暗号資産の各市場が同時に不安定化する可能性がある。

テクニカル面では、7万4000ドルが重要な分岐点とみられている。この水準はビットコイン現物ETFの平均取得コストと重なる価格帯でもある。CoinSharesのシニア・リサーチ・アソシエート、ルーク・ノーラン氏は、この水準を安定して維持できるかが、その後の上昇余地を左右するとの見方を示した。

ノーラン氏は、ビットコインがETFの平均取得コストを明確に上回って推移して初めて、資金フローに表れているリスク選好への転換が確認できると指摘した。実際、ビットコイン現物ETFには直近3営業日連続で純流入が続いた。同氏は、流入ペースが一段と強まれば、相場の追加上昇を支える可能性があるとみている。

一方で、7万4000ドルを下回れば、相場の変動が再び大きくなる可能性がある。とりわけ停戦期限後に地政学リスクが再燃した場合、下押し圧力が強まるとの見方が出ている。

今週は、マクロ経済指標や伝統金融市場のイベントも相次ぐ。カナダ、英国、日本の物価指標に加え、米国では新規失業保険申請件数や消費者心理指数の発表が予定されている。いずれも金融政策見通しやリスク資産への投資心理に影響を与え得る材料だ。

企業決算も注目材料となる。Tesla、CME Group、Nasdaqが決算発表を予定しており、ハイテク株を中心に投資家心理が揺らげば、暗号資産市場にも波及する可能性がある。

規制面では、米商品先物取引委員会(CFTC)が予測市場に関する規則提案の事前通告を巡り意見を募集しており、締め切りは30日となっている。トークン供給では、23日にToncoin(TON)、25日にAvalanche(AVAX)とHumanity Protocol、26日にPlasma(XPL)のロック解除が予定されている。

このほか、今週は「2026 Hong Kong Web3 Festival」(20〜23日)、「Solana Economic Zone Dubai 2026」(22〜23日)、「VanEck Southern California Blockchain Conference」(23〜24日)のほか、ロンドンでは「AI・暗号資産詐欺および資産回復(AI & Crypto Fraud and Asset Recovery)」も開催される予定だ。

投資家は今週、中東情勢の行方、ETF資金流入の持続性、そしてビットコインが重要価格帯を維持できるかを軸に相場を見極めることになりそうだ。

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