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暗号資産運用会社Hilbert Groupのラッセル・トンプソン最高投資責任者(CIO)は、金融市場の流動性が今後さらに20〜25%縮小する可能性があると指摘した。ビットコイン(BTC)は短期的に下押し圧力を受けやすい一方、米国の政策対応次第では年末にかけて反発する余地もあるとの見方を示している。

20日(現地時間)、CoinDeskによると、トンプソン氏は一部の制度見直しで短期的な安定材料は出ているものの、市場全体ではより広範な流動性縮小が進んでいると分析した。

同氏は、こうした環境がビットコイン相場の上値を抑える要因になり得るとみる。中東の地政学リスクが和らいでも、リスク資産の上昇基調が長く続くとは限らないとし、「外部から流動性が供給されなければ、リスク資産は持続的に上昇しにくい」と述べた。

注目すべき政策要因としては、米国の補完的レバレッジ比率(SLR)規制の見直し、米財務省一般会計(TGA)の縮小、米連邦準備制度理事会(Fed)による利下げの可能性を挙げた。

なかでもTGAは、市中に流れる資金量を直接左右し得る重要な変数だと指摘した。財務省が口座残高を取り崩せば市場に流動性が供給され、逆に残高を積み増せば流動性が吸収される構図だという。

市場では流動性の供給源をFedに偏って捉えがちだが、実際には財務省も大きな影響力を持つと同氏は説明する。過去の政策運営を踏まえると、財務省が積極的に流動性調整に動く可能性も否定できないとした。

ビットコインはこの6カ月で大きく変動した。2025年10月には過去最高値の12万6000ドルを付けたが、その後は下落基調に転じ、2026年2月には6万3000ドル水準まで下げた。

当時はETFからの資金流出に加え、金融環境の引き締まりやリスク回避姿勢の強まりが重なり、需要が弱含んだ。局面によっては、ビットコインのパフォーマンスが株式市場を下回る場面もあった。

足元では7万5000ドル近辺で推移しており、急落局面はいったん脱した。ただ、最高値からの下落幅はなお大きく、市場の関心は2025年末の過熱感から、マクロ流動性や政策の方向性、投資家ポジションの変化へと移っている。

一方で、中期的な見通しは比較的前向きだ。暗号資産規制の明確化とディスインフレ環境が重なれば、Fedのバランスシート拡大など流動性供給が想定より早く再開される可能性があるという。その場合、ビットコイン価格は年末にかけて現在より大幅に高い水準に達する可能性があるとみている。

マクロ環境もこのシナリオを後押しし得る要因として挙げた。原油高が景気減速を招き、労働市場の軟化や民間信用のストレスが強まれば、ディスインフレ圧力が強まる可能性があるという。結果として、金融・財政の両面で政策緩和につながる余地があると分析した。

長期では、2027年前後を流動性の底打ち時期として示した。この時期がビットコインの新たな過去最高値更新と重なる可能性もあるとみる。短期的な引き締め圧力と中長期の流動性回復という相反する流れのなかで、ビットコイン市場は次の方向感を探る局面にある。

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