Horse Powertrainは、EV専用プラットフォームを維持したまま、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、航続距離延長型EV(EREV)に対応できる一体型パワートレイン「X-Range C15 Direct Drive」を公開した。既存EVの後輪駆動ユニットを置き換えて搭載する構成を想定しており、車両構造の大幅な変更や追加投資を抑えながら電動化方式の拡張を可能にする。
EVメディアのInsideEVsが20日(現地時間)に報じた。Horse Powertrainは、新製品について、既存のEVアーキテクチャを生かしつつ、HV、PHEV、EREVへ展開できるソリューションと位置付けている。
X-Range C15 Direct Driveは、直列4気筒ガソリンエンジン、変速機、2基の電動モーターを扁平な単一ケースに収めたオールインワン構造を採用する。既存EVの後輪側電動ユニットを取り外し、同じ位置に装着することで、同一車両をHV、PHEV、EREVへ転用できるという。
駆動構成はP1+P3のデュアルモーター方式。P1モーターはエンジンのクランクシャフトに接続され、発電機として作動する。自然吸気エンジンとの組み合わせでは最大70kW、ターボエンジンとの組み合わせでは最大110kWをバッテリーに供給する。P3モーターは後輪駆動を担い、単独またはエンジンとの協調で駆動力を発生する。エンジンは1.5リットルガソリンで、自然吸気仕様が94馬力、ターボ仕様が161馬力となる。
四輪駆動にも対応する。前輪側は別体の電動モーターで駆動し、後方にC15 Direct Driveを組み込む構成だ。Horse Powertrainは、後輪アクスルへの統合設計により、ガソリンエンジンの排気系や後処理システムを配置しやすくなるほか、乗員空間下のバッテリー搭載スペースも最大限確保できるとしている。
パワーエレクトロニクスは標準搭載とした。加えて、DC-DCコンバーターや車載充電器、800V充電ブースターなどを追加でき、単なる駆動系ではなく、統合電動化プラットフォームとして活用できる点を打ち出している。
今回の製品は、EV専用プラットフォーム戦略の見直しを迫られる完成車メーカーの課題を踏まえた提案でもある。EV専用プラットフォームに大規模投資を進めた後、市場需要の変化に応じて戦略修正を迫られる中、既存構造を維持したまま複数のパワートレインを並行展開できる柔軟性の重要性が高まっているためだ。Horse Powertrainは、同一生産ラインで複数の電動化車両を生産でき、コスト削減効果も見込めるとしている。
製品ラインアップの拡充も進める。今回のモデルは、前輪駆動ユニットを置き換えるF15に続く派生製品で、既存の航続距離延長器C15シリーズとも連携する。EVの車体を維持しながらHVへの転換を迅速に進めたい需要を取り込む狙いがある。
業界では今回の発表について、EVと内燃機関車を明確に分ける従来型の発想から離れ、単一プラットフォームで多様な電動化オプションを展開する流れが強まっているとの見方が出ている。今後、完成車メーカーが同システムを採用すれば、EVベースの生産体制を維持しながらHVやEREVを併売する戦略が一段と広がる可能性がある。