Grayscaleは、米証券取引委員会(SEC)に提出した修正S-1で、Hyperliquid連動の現物ETF「GHYP」の保管機関をCoinbaseからAnchorage Digital Bankへ変更する方針を示した。移転代行機関はバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY)が引き続き担う。
ブロックチェーンメディアのCoinPostが21日(現地時間)に報じた。修正申請書では、主要な保管機関の見直しに加え、ベンチマークに「CoinDesk Hyperliquid Benchmark Extended Rate」を引き続き採用することや、ステーキング機能を規制当局の承認を前提として盛り込むことも明記した。
今回の見直しは、米国のビットコイン現物ETF市場でCoinbaseが保管業務の大半を担う中で行われた。Coinbaseは現在、Fidelityを除く米国のビットコイン現物ETFの多くで主要保管機関を務めている。こうした状況でGrayscaleがGHYPについて別の保管先を選んだことで、ETF市場における保管競争の構図に変化が生じる可能性もある。
Anchorageは、米国で初めて連邦認可を受けた暗号資産銀行とされる。2017年設立の保管事業者で、Grayscaleは2024年8月、自社のビットコインおよびイーサリアム・トラストの一部資産の保管をAnchorageに委託していた。今回、GHYPの主要保管機関に起用したことで、両社の関係はさらに広がった格好だ。
GrayscaleはGHYPを2025年3月20日に初めて申請した。関連ETFでは21SharesとBitwiseが先行しており、Grayscaleは申請上は後発に当たる。今回の修正申請では、保管機関の変更に加え、移転代行機関の維持や、ステーキング機能の条件付き反映などを盛り込んだ。
市場では、基礎資産に関連するHyperliquidエコシステムの成長にも注目が集まっている。HyperliquidのHIP-3市場の未決済建玉は先週、過去最高の23億8000万ドル(約3570億円)を記録した。年初の約2億8000万ドル(約420億円)から約580%増えた計算になる。
HIP-3は、株式や商品を原資産とする24時間取引のパーペチュアル先物市場だ。通常の取引時間外でも株式・商品先物にアクセスできる手段として利用が広がっており、こうした需要拡大が未決済建玉の急増につながったとの見方が出ている。
既存の大手取引所との差別化も鮮明になっている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)と、インターコンチネンタル取引所(ICE)傘下のニューヨーク証券取引所(NYSE)は、現時点で株式先物の24時間・年中無休取引を提供していない。Hyperliquidはこの空白を埋める形で、HIP-3市場を拡大している。
GHYPの審査は、新たな商品の承認可否にとどまらず、ETFの保管競争とHyperliquid市場の拡大という2つの流れを映す事例としても注目される。今後は規制当局の判断に加え、ステーキング機能が認められるかどうかが焦点となりそうだ。