写真=Kalshi

米HBOの時事風刺番組「Last Week Tonight with John Oliver」が予測市場を取り上げ、規制の空白と市場操作リスクに強い懸念を示した。司会のジョン・オリバー氏はKalshiやPolymarketを名指しし、監督体制の不備や市場の脆弱性を批判した。

ブロックチェーンメディアのCointelegraphが20日(現地時間)に報じた。番組では、政治的な発言や特定の出来事の発生有無を対象に取引する予測市場の仕組みを紹介。主要プラットフォームとしてKalshiやPolymarketが取り上げられた。

オリバー氏は、ドナルド・トランプ前大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏が関連プラットフォームでアドバイザーを務めている点に触れたうえで、米商品先物取引委員会(CFTC)がテロや暗殺、戦争といった事象を対象とする契約を十分に監督できていないと批判した。

とりわけ問題視したのは、市場参加者や企業が結果に影響を及ぼし得る構造だ。例として、ブライアン・アームストロング氏が2025年7~9月期の決算発表で暗号資産関連の用語に繰り返し言及し、一部の関連市場の値動きに影響を与えた事例を挙げた。

番組終盤でも、オリバー氏は同様の構図を皮肉を交えて批判した。「誰かがオンラインで賭けたからといって、自分の行動を変えることはない」と述べたうえで、「ビットコイン、イーサリアム、ブロックチェーン、ステーキング、Web3といった言葉に触れるのも、市場を動かすためではなく単なる冗談だ」と語った。

予測市場は足元で急拡大している。利用者数と取引量の増加を背景に、業界では2030年までに市場規模が1兆ドル(約150兆円)に達する可能性があるとの見方も出ている。一方で、物議を醸す賭け商品や、州ごとに異なる法的位置付けを主要なリスクとみる向きもある。

米国内では、規制を巡る対立も強まっている。複数の州当局はKalshiなどについて、違法なスポーツ賭博に当たる疑いがあるとして提訴しており、法廷闘争は拡大している。Coinbaseの法務責任者ポール・グリーワル氏は、この争いが米連邦最高裁まで持ち込まれる可能性に言及した。

予測市場への関心は、伝統的な金融機関や大手メディアにも広がっている。CNN、CNBC、Fox News、Dow Jonesは、すでに関連プラットフォームと協力関係を築いている。

Charles SchwabやCitadel Securitiesなどの伝統金融大手も参入の可能性を探っている。Charles Schwabの最高経営責任者(CEO)、リック・ワースター氏は投資家向け説明の場で「予測市場を綿密に検討している」と述べた。Citadel Securitiesのジム・エスポジト氏も「市場動向を注視している」と語っている。

予測市場は急成長を続ける一方で、規制上の空白と倫理的な論争も広げている。今後は、規制当局の対応と司法判断が市場の先行きを左右する重要な要因となりそうだ。

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