画像=Memecore

オンチェーン調査者のジャックXBTが、MemecoreのMトークンを巡り、内部者への極端な保有集中や取引所の上場審査に疑義を示した。Krakenに対しては、上場の判断理由と審査内容の開示を求めている。

Cointelegraphによると、ジャックXBTは20日(現地時間)、Krakenの投稿にコメントする形で「なぜMトークンを上場したのか、どのような審査を経たのかを公開すべきだ」と主張した。Krakenが、米シークレットサービス(USSS)や英国家犯罪対策庁(NCA)、カナダ当局による合同作戦「Operation Atlantic」への協力を明らかにした直後の発言だったという。

今回の問題提起の背景には、直近で崩壊したRAVEトークンの事例がある。ジャックXBTはRAVEを、複数の中央集権型取引所にまたがる内部者主導の相場操作事案と位置付け、情報提供に2万5000ドルの懸賞金を設定していた。

Memecoreは、自らを「ミーム2.0経済」のためのレイヤー1ブロックチェーンと紹介している。Mトークンは一時、時価総額が約60億ドル、完全希薄化後価値(FDV)が約355億ドルに達し、主要価格サイトでも上位に浮上した。ただ、ジャックXBTは、こうした評価を裏付ける実態が乏しいと指摘している。

ジャックXBTは「時価総額上位20位圏のトークンに見合う根拠データを示す必要がある」としたうえで、「内部者が供給量の90%超を保有している理由も説明すべきだ」と主張した。オンチェーン分析では、実際の内部者支配比率が約99%に達する可能性もあるとしている。

取引規模と流通構造の乖離も論点となっている。ジャックXBTは「アプリの累計取引量は6600万ドルにすぎないのに、時価総額は60億ドルに達している」と指摘した。公表ベースの流通量は約12億9000万枚だが、実際にアンロックされている数量は約2億3000万枚にとどまるという。

資金フローについても具体的な指摘が出ている。ジャックXBTは、約790万ドル規模の出金が新規作成された18のアドレスに移され、それらのアドレスがMトークン1170万枚を保有していたと明らかにした。さらに、Memecoreのチームウォレットとみられるアドレスが、2025年7月にKrakenの入金アドレスへ530万枚を送ったとも主張した。KrakenはMトークンの現物取引を扱う主要取引所の一つで、上場判断そのものが論争の焦点になっている。

Mトークンの価格は足元で約3.54ドルと、24時間前比で小幅安となった。時価総額は約45億ドルに縮小している。価格変動自体は限定的だが、論争はトークン価値の算定方法や流通の透明性にまで広がっている。

ジャックXBTがMemecoreをRAVEと並べて論じたのも、こうした構図が重なるためだ。RAVEトークンは2025年末、上場直後に0.25ドルから28ドルまで急騰した後、数時間で95%超下落した。初期供給の大半が特定アドレスに集中し、個人投資家に配分された分はごく限られていたとの分析が出ている。

ジャックXBTは「5200万ドル規模の清算だけで、時価総額60億ドルが消えた」としたうえで、「こうした構造は人為的で持続不可能だ」と批判した。一部の取引所は調査の必要性を認める一方、関連プロジェクト側は関与疑惑を否定している。

ジャックXBTは、問題は個別案件にとどまらないとの見方も示した。「取引所のコンプライアンス部門が、こうした異常な兆候を把握していなかった可能性は低い」とし、「対応が遅れるほど個人投資家の損失は拡大し、プラットフォームだけが手数料を得る」と批判した。あわせて、SIREN、MYX、ChainOperaAI(COAI)、PIPPIN、RIVERといった他の疑わしいプロジェクトにも言及した。

今回の論争は、特定トークンの問題にとどまらず、中央集権型取引所の上場審査基準、実際の流通量の開示、内部者保有の検証体制にまで論点が広がっている。今後は、ジャックXBTによる追加の指摘と、取引所側の対応が注目されそうだ。

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