ビットコインで現物需給の引き締まりが意識されている。長期保有者による買い増しが直近3日で10%超拡大する一方、デリバティブ市場では未決済建玉(OI)が減少し、資金調達率も中立圏に戻った。市場では、9万ドル回復に向けた次の値動きを左右するのは、レバレッジではなく現物市場の動向だとの見方が強まっている。
BeInCryptoが20日(現地時間)に報じたところによると、ビットコインは先週、7万8380ドル近辺で上値の重さを確認した。足元では7万6000ドル台で推移している。
チャート上では、3月29日の安値から4月17日の高値まで約21%上昇した後、下向きの平行チャネル内で推移しており、典型的な上昇フラッグを形成している。ただ、直近2回の上放れはいずれも抵抗帯に阻まれた。特に20日のトライでは長い上ヒゲを付けており、抵抗帯で買いの勢いが続かなかったことを示した。
出来高も力強いブレイクアウトを裏付けていない。フラッグ形成中は、買い優勢の局面での出来高が直前の売り優勢局面を下回っており、パターン自体は維持されているものの、上放れを支えるだけの確信はなお乏しい。
一方、デリバティブ市場では過熱感が後退している。4月17日の高値以降、ビットコインのOIは304億6000万ドルから274億4000万ドルへ減少し、約10%縮小した。
同じ期間の資金調達率も、マイナス0.014%からマイナス0.002%へ低下し、ゼロ近辺に戻った。強気・弱気のいずれかに大きく傾いたというより、ポジション調整が進んだ状態を示している。
これに対し、長期保有者は買い増しを続けている。オンチェーン分析会社Glassnodeの「ホドラー純ポジション変化」では、17日に3万2942BTCだった数値が19日には3万6482BTCへ増加した。直近3日で10.75%増えた計算になる。
足元の売りの主体は、別のオンチェーン指標からも読み取れる。流通量をウォレットの保有期間ごとに分類する「HODLウェーブ」では、1週間〜1カ月保有の比率が9日の約4%から19日には2.781%まで低下した。
直近の上昇局面で流入した短期の投機資金が利益確定売りに回り、その売りを長期保有者が吸収した構図とみられる。市場では、短期筋から長期保有者への持ち替えが進んでいるとの見方が出ている。
こうした動きは、デリバティブ市場だけでは説明しきれない需給の変化を現物市場が示していることを意味する。レバレッジ指標が中立圏にとどまる一方で、相場を下支えしているのは現物主導の買いだという分析だ。
短期的な分岐点として意識されているのが7万5190ドルだ。これは、6万4869ドルから7万8379ドルまでの上昇幅を基にした0.236のフィボナッチ戻し水準に当たる。
ビットコインは20日にこの水準を試したが反落し、抵抗の強さを改めて確認した。ただし、7万5190ドルを日足の終値で上回れば、上昇フラッグが上方向に解消し、9万841ドルまで上値余地が広がるとの見方もある。現在値からみて約21%の上昇余地となる。
反対に、上抜けに再び失敗した場合は、より深い調整に入る可能性も残る。7万3218ドルの0.382水準、あるいは7万1624ドルの0.5水準まで下押しした後、改めて上放れを試すシナリオが想定される。
さらに、7万30ドルの0.618水準を割り込めば、足元の強気パターンは大きく崩れる可能性がある。
当面の注目水準は明確だ。7万5190ドルを回復して定着できれば、9万ドルに向けた道筋が再び開く。一方で、この水準を超えられなければ、ビットコインはもう一段の下値支持を試す展開となる公算が大きい。