Ethereumを巡る評価は、価格動向にとどまらず、ネットワーク活動やDeFiの信頼性、拡張戦略にも広がっている。写真=Shutterstock

暗号資産市場で、Ethereum(ETH)の投資価値を巡る議論が再び強まっている。構造的な弱さを理由に一段安を警戒する見方がある一方、ファンダメンタルズやテクニカル指標を根拠に反発余地を指摘する声もあり、市場の評価は割れている。

ブロックチェーンメディアのBeInCryptoが20日(現地時間)に報じたところによると、暗号資産アナリストのアンセム(Ansem)は、Ethereumは2023年時点よりも厳しい状況にあるとの見方を示した。Ethereumを支えてきた投資ストーリーはここ数年で弱まり、2026年時点では構造的に一段と不利な局面に入ったと主張している。

アンセムはその根拠として、このサイクルで個人投資家の資金がSolana(SOL)に流れ、無期限先物市場ではHyperliquid(HYPE)が主導権を握った点を挙げた。Ethereumの拡張戦略の柱とされてきたロールアップも想定ほど普及しておらず、ビタリック・ブテリンが汎用ロールアップ構想から距離を置いたことも弱材料だとした。

DeFiのセキュリティ問題も懸念材料として指摘した。KelpDAOのrsETHを巡るエクスプロイトやAaveを巡る一連の動きが、Ethereumの価値の中核とされてきた安全性や機関投資家の信頼を損ねたと主張した。

アンセムは「Ethereumの投資ストーリーはここ数年で着実に弱まっている」「現在のEthereumは過去より悪い位置にある」と述べた。

価格面でも弱気姿勢を崩していない。Ethereumは長期にわたって主要なレジスタンスラインを突破できず、下落基調が続いているとし、2025年の安値である1300ドル近辺に加え、2022年の弱気相場時の安値まで下落する可能性も否定しなかった。

これに対し、市場ではすぐに反論も出た。投資家のライアン・バークマンスやレオ・ランザは、アンセムの見方に異論を示し、Ethereumのファンダメンタルズは依然として堅調だと指摘した。

市場参加者の一部は、このサイクルでSOL/ETHの取引ペアが56%下落した点を挙げ、Solana優位とする見方は単純化し過ぎだと評価している。

もっともアンセムは、特定の資産に肩入れしているわけではないと強調した。「Solanaが大きく上昇してもSOL/ETH比率は下がった」「過去1年、特定のコインに偏った見通しは示していない」と述べている。

足元では、Ethereumを巡る見方は大きく分かれる。ネットワーク活動は引き続き堅調だとする分析があるほか、レインボーチャートや移動平均収束拡散法(MACD)などのテクニカル指標が反発シグナルを示しているとの指摘も出ている。

一方で、拡張戦略の遅れやDeFiのセキュリティ問題が、中長期的な弱点になりかねないとの懸念も残る。

今後の焦点は、ロールアップ戦略やセキュリティを巡る課題がEthereumの投資ストーリーを引き続き損なうのか、それともネットワーク成長とテクニカル面の改善が価格回復につながるのかにある。マクロ経済や地政学リスクも重なる中、Ethereumが一段安に向かうのか、反発に転じるのかが当面の注目点となりそうだ。

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