運動は時間帯よりも継続しやすさが重要だという(写真=Shutterstock)

運動の効果を高めるうえで、生体リズムに合った時間帯は参考になる。ただ、実際に重視すべきなのは「理想の時間」ではなく、無理なく続けられる時間帯だ。疲れている日も、まずは5〜10分の軽い運動から始めることが有効だと専門家は指摘している。

Medical News Todayは4月18日、運動生理学の専門家マーク・コバックス氏の見解として、運動時間の最適化そのものより、長く続けられる習慣づくりの方が重要だと報じた。

コバックス氏によると、朝型か夜型かによって体の反応は変わりうる。1日の中ではホルモンの状態や体温、神経筋機能が変動し、それが運動パフォーマンスや長期的な健康状態に影響する可能性があるという。

学術誌「Open Heart」に掲載された研究でも、覚醒度や集中力が高い時間帯に運動すると、心血管・代謝面の健康にプラスに働く可能性が示された。

一方で、実際に運動する時間を決める際は、「理想的な時間帯」よりも「守りやすい時間帯」を優先すべきだという。コバックス氏は、多くの人にとって最適な運動時間は、継続して確保できる時間だと説明。安全に、一定の強度で規則的に取り組めるのであれば、その時間帯が最適だとしている。

朝の運動は、習慣化や代謝リズムの維持に役立つ可能性がある。これに対し、午後遅めから夕方にかけては体温が上がり、神経系の働きも高まりやすいため、筋力やパワー、協調性を発揮しやすいとした。

疲れて運動を先送りしたくなるときは、本当の疲労なのか、単なる意欲の低下なのかを見極める必要があるとも助言した。散歩や軽いモビリティトレーニング、自重トレーニングなど、5〜10分ほどの低強度の運動から始めるだけでも十分効果が期待できるとしている。

こうした軽い運動でも血流や神経化学的な反応が促され、かえって活力が高まり、そのままより長い運動につながる場合が少なくないという。

疲労が続く場合は、無理に運動強度を上げる前に回復の状態を確認すべきだと指摘した。慢性的な疲労は、ただ我慢して乗り切るものではなく、睡眠や栄養、水分補給、総運動量の見直しが必要なサインであることが多いという。

低〜中強度の運動は、続けることでエネルギーを効率よく使う力を高める可能性がある。ただし、回復戦略が崩れると運動の継続もしにくくなるとの見方を示した。

運動のモチベーションについても、意志の力だけに頼る方法には限界があるとした。コバックス氏は、運動の動機は待つものではなく、仕組みと習慣によって作るものだと説明。決まった時間に運動を組み込み、現実的で測定可能な目標を設定し、進捗を記録する方法が最も効果的だと述べた。

小さな達成を積み重ねることが、習慣の維持にもつながるという。

また、運動の種類に変化をつけることの重要性も挙げた。筋力トレーニング、有酸素運動、モビリティトレーニングを組み合わせれば、飽きにくいだけでなく、全体的な身体機能の向上にも役立つとしている。

1人では続けにくい場合は、運動仲間やコーチ、グループでの運動など、いわば「社会的な約束」を活用することも継続を後押しする有効な手段になりうるとした。

運動を1〜2日休むこと自体を問題視する必要はない点も強調した。体の適応はトレーニング中だけでなく回復の過程でも起こるため、特に加齢に伴っては、週に1〜2回の回復日、あるいは低強度の日を設けることが、長期的な進歩やけがの予防に重要だとしている。

完全休養だけが選択肢ではなく、散歩や軽いストレッチ、低強度のサイクリングといったアクティブリカバリーも、血行促進や回復に役立つと付け加えた。

世界保健機関(WHO)は成人に対し、週150分以上の中強度の身体活動、または75分以上の高強度の身体活動、もしくはそれに相当する組み合わせを推奨している。

こうした基準を満たすうえでも重要なのは、毎日限界まで運動することではない。生活リズムと回復の状態に合わせ、無理なく長く続けられる形を整えることが、健康改善と運動習慣の定着を両立させる現実的な方法だといえそうだ。

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