写真=Shutterstock

ムーアの法則が、半導体産業の枠を超えて生成AI分野にも当てはまる指標として注目を集めている。半導体の微細化ペースには鈍化がみられるものの、性能向上とコスト低下が同時に進むという産業の競争原理そのものは、なお有効だとの見方が広がっている。

TechRadarが19日(現地時間)に報じたところによると、ムーアの法則はこれまで、半導体の集積度向上とコスト低下を説明する概念として使われてきた。テクノロジー産業全体の進化の方向性を測る代表的な指標の一つとされている。

この法則は1965年4月、Intel共同創業者のゴードン・ムーア氏が、今後10年間の半導体産業を展望する中で提示したものだ。トランジスタなど回路部品の数が毎年2倍のペースで増える傾向を示し、この流れが少なくとも10年は続くと予測した。

その後、コンピューティング性能は指数関数的に高まり、コストは低下するという考え方として定着した。

実際、半導体産業はムーア氏の当初の想定を大きく上回る期間、この流れを維持してきた。1970年代初めには1チップ当たり数千個規模だったトランジスタ数は、2000年代には数千万個に達し、約30年で1万8000倍超に増えた計算になる。

ただ、2000年代以降は伸びのペースが鈍っているとの見方が強まっている。Intelのパット・ゲルシンガーCEOは2023年、トランジスタ増加の周期が従来より遅くなったと明らかにし、過去のような指数関数的成長を維持するのは難しくなっているとの認識を示した。

こうした変化は、半導体がもはやかつてと同じ成長局面にはないことを示している。一方で、ムーアの法則そのものが業界の基準としての意味を失ったわけではない。

近年は生成AIでも、これと似た動きが目立っている。OpenAIのサム・アルトマンCEOは2025年、AIの進化の速さを説明する中でムーアの法則に言及した。生成AIの普及後、モデル性能は急速に高まる一方、利用コストは大幅に低下しており、その推移は半導体産業の発展過程と重なるという見方だ。

実際、AIの計算コストは急速に下がっている。アルトマン氏は、コンテキストトークンベースのコストが1年で約10分の1になり、2023年から2024年半ばにかけてはChatGPTのトークン当たり価格が約150分の1に低下したとも述べた。

こうした動きは、性能改善とコスト削減が同時に進む構造が、AI産業でも繰り返されていることを示している。

このためムーアの法則は、もはや半導体の微細化速度だけを指す言葉ではなくなりつつある。トランジスタ数がかつてのような勢いで増える時代は過ぎても、より高い性能をより低いコストで提供しようとする産業の競争原理は、依然として有効だ。

半導体と生成AIの双方で、性能とコストのバランスが競争力を左右する重要な要素となる中、ムーアの法則は形を変えながらも、現在の技術進化を読み解く物差しとして生き続けている。

キーワード

#半導体 #ムーアの法則 #生成AI #AI #Intel #OpenAI #ChatGPT
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.