SoftBankは、米AIスタートアップのBrain Technologiesが開発したスマートフォン「Natural AI Phone」を4月24日に発売する。日本では1年間の独占販売となる。あわせて同日、生成AIを体験できるWebサービス「ダレデモAI」も公開し、ハードとサービスの両面からAI活用の裾野拡大を狙う。
価格は9万3600円で、予約はすでに受け付けている。
Natural AI PhoneはAndroidベースのスマートフォンで、AIエージェント機能「Natural AI」をOSレベルで統合したのが特徴。端末側面の専用「AIボタン」から即座に起動でき、個別アプリ単位ではなく、ユーザーの操作の流れに沿って処理を実行する。
例えば、Googleカレンダーで予定を確認し、飲食店を予約したうえで、その内容をLINEで共有するといった一連の操作をまとめて処理できる。YouTubeなど複数のアプリをまたいで使える点を差別化要素とする。
ユーザーの行動や文脈を学習する「Understanding System」も搭載した。応答を利用者ごとに最適化し、AI処理は単純な作業を端末内で、より複雑な処理をサーバ側で担うハイブリッド構成を採用している。
SoftBankは、AIをスマートフォンの付加機能ではなく、利用体験の中核に据える考えだ。一方で、当面は需要が限られる可能性があるとの見方も示した。
コンシューマー事業を統括するアダチ・ヤスアキ氏は、「AI機能だけを理由にスマートフォンを買い替える需要は、まだ大きくない」としたうえで、「AIエージェントを本格搭載した初の事例として、市場の反応を見極める意義がある」と述べた。
同製品は大衆向けの主力モデルというより、初期市場での反応を探る意味合いが強い。AI中心のインターフェースが日常利用にどこまで浸透するかが注目点となる。
同日公開する「ダレデモAI」は、同時通訳や画像変換など、代表的な生成AI機能を手軽に試せるWebサービス。AIの利用経験がないユーザーでも使いやすい設計とした。
専用AIスマートフォンと無料の体験サービスを同時に投入することで、SoftBankはAIエコシステムの拡大を加速させる構えだ。Natural AI Phoneの販売動向と利用者の反応は、AI機能が端末の買い替え需要をどこまで喚起できるかを占う材料になりそうだ。