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リズ・トラス前英首相は18日、英国経済の長期停滞の背景に通貨価値の低下と金融政策の失敗があると指摘し、法定通貨の価値低下に備える手段としてBitcoinを支持する考えを示した。

ブロックチェーンメディアのCoinDeskによると、トラス氏は英国経済が数十年にわたって停滞してきたとしたうえで、インフレと新規通貨発行に伴う英ポンドの価値低下を中核的な問題として挙げた。

同氏は2022年に49日間、保守党政権で首相を務めた。今回の発言では、足元の金融環境がBitcoinへの関心を一段と高めているとの認識も示した。Bitcoinは一部の市場参加者の間で、法定通貨の価値下落に備える手段として位置付けられている。

トラス氏は、財務省で勤務していた当時に初めてBitcoinに触れたと説明した。当時は議論を喚起する狙いから、このテーマに言及したこともあるという。

インタビューでは、「多くの問題は通貨価値の低下と健全な通貨の欠如に起因している」と述べた。学界や政府の場で通貨を巡る真剣な議論が失われ、金融政策を論じること自体が政府内でタブー視されていると批判した。経済全体の行方を左右する重要なテーマであるにもかかわらず、公の議論が十分に行われていないとの見方だ。

Bitcoinへの言及は、単なる投資資産としての評価にとどまらない。トラス氏は、現行の仕組みが規制や課税を通じて中央集権的な統制を強め、金融面の独立性を狭める方向にあると警告したうえで、Bitcoinをそうした流れに対抗する手段の一つとして位置付けた。

また、英国経済は極めて厳しい軌道にあるとし、低成長や国家統制の強化、金融政策の失敗が長期的な衰退につながりかねないと主張した。英国は他国に比べて急速に豊かさを失っているとも述べ、高い税負担や規制、エネルギーコストの上昇によって、起業家がリスクを取るだけの見返りを得にくくなっていると指摘した。こうした構造が勤労意欲や起業意欲を大きく損なっているとの見方も示した。

2022年の首相在任時に市場の混乱を招いたとされる、クワシ・クワーテング前財務相の「ミニ予算」構想の余波についても、トラス氏は従来の立場を維持した。混乱は新たな問題を生んだのではなく、市場に潜んでいた脆弱性を露呈した出来事だったと主張した。「人々が気付いていなかった火薬庫がシステムの中にあった」と述べ、レバレッジを活用した年金運用戦略を例に挙げた。

政界を離れて以降、トラス氏は新たな政治運動の構築に力を入れている。活動家や起業家、そして同氏が掲げる主権と自由の立場に立つ人々の声を集める場として、3日間の日程で開くCPAC UKの推進に取り組んでいる。

そのうえでトラス氏は、「私たちには二つの選択肢しかない。終わるか、変えるかだ」と述べ、経済と通貨体制を巡る議論を政治アジェンダの中心に引き上げる考えを改めて示した。

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